2021年にフェラーリに加入するカルロス・サインツJr.は、F1プレシーズンテストが短縮されることにより、開幕前に新しいマシンとチームに十分馴染むことができず、シーズン前半に苦労を強いられると予想している。
サインツは今季末を最後にマクラーレンを離れてフェラーリに移る。しかしコスト削減の新ルールの一環で、来年は3月の開幕戦オーストラリアGP前のテストの期間はわずか3日に制限される。
かつてF1のシーズン前テストは、スペインのバルセロナ-カタルニア・サーキットで行われ、4日間2回、合計8日間の走行日が確保されていた。2020年は3日間のテスト2回に縮小され、技術規則に大きな変更がない2021年には3日間に減らされる予定だ。テスト会場としてはバーレーンが選ばれるものとみられる。
チームはテストで1台のマシンのみを走行させる。つまりふたりのドライバーが、走行時間を分け合わなければならない。
走行時間の削減はチームや同じチームに留まるドライバーにとっては大きな問題にはならないだろう。しかし、サインツJr.やセバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルドのように、別のチームに移籍するドライバーにとっては大きな障害となる可能性がある。
さらにこのことは、2年のブランクを経てF1に復帰するフェルナンド・アロンソやF1に昇格してくる新人ドライバーたちにとっては、より大きな課題となるだろう。ハースはミック・シューマッハーとニキータ・マゼピンという、ルーキーのみのラインアップを起用する意向であるとも言われている。
「そのマシンのことを知らない人間が1日半で開幕戦の準備をすることは、事実上不可能だ」とサインツJr.はトルコGPの週末に語った。
「その影響で、フェラーリでの(初)シーズン前半はとても難しいものになるだろう。フェルナンドやリカルド、そしてチームが変わる他のドライバーにとっても同じだ」
「なぜ3日間だけなのか理解できないよ。ドライバーひとりにつき1日半だ。僕は賛成できない。シーズン中にもテストが行われないことを考えればなおさらだ」
その他のF1公式テストは、2020年最終戦アブダビ後の火曜12月15日に同地で行われる若手ドライバーテストのみだ。しかしこのテストはグランプリレース経験が2回以下のドライバーのためのものであり、サインツには参加する資格がない。
ルノーは、F1を離れていたアロンソが参加できるよう特例を認めることを求め、FIAに掛け合っているが、その動きに他チームは反対している。
サインツも同様の措置を望んでいるものの、実現は難しいと認めている。
「テストに参加してフェラーリを走らせることに興味を持っている。それは秘密でも何でもない」
「でもそれは、他のチームの許可が取れて、FIAが承認してくれなければ実現はしない」