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菅田将暉、赤い公園、HoneyWorks……各アーティストによる注目のタイアップ作品 新譜5作からピックアップ

2020年11月24日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

菅田将暉『虹』(通常盤)

 菅田将暉が歌う映画『STAND BY ME ドラえもん 2』主題歌「虹」、赤い公園が手がけたドラマ『時をかけるバンド』(フジテレビ系)のオープニング曲「オレンジ」とエンディング曲「pray」。映像作品、テレビ番組、ゲームなどのタイアップ曲を収めた新譜をピップアップしました。


(関連:菅田将暉ら、新曲MVはこちら


●菅田将暉『虹』
 菅田将暉の新曲「虹」は、映画『STAND BY ME ドラえもん 2』主題歌。「さよならエレジー」、「台詞」、「クローバー」などを手がけ、菅田の音楽活動に欠かせない存在である石崎ひゅーいの作詞・作曲によるバラードナンバーだ。郷愁を誘うメロディ、〈泣いていんだよ/そんな一言に僕は救われたんだよ〉というフレーズで始まるこの曲は、映画の物語に寄り添いながら、“愛する人と共に生きていきたい”という強く、温かい思いを響かせている。すべての言葉に豊かな感情を込め、奥深いストーリーを描き出す菅田のボーカル、そして、古き良きフォークソングのスタイルを2020年のポップスに昇華させたトオミヨウのサウンドメイクも素晴らしい。


●赤い公園『オレンジ / pray』
 ドラマ『時をかけるバンド』のオープニング曲「オレンジ」、エンディング曲「pray」による両A面シングル。〈あの日誓い合った約束〉と〈滲んだオレンジ〉のコントラストが切ない「オレンジ」は、〈あの日誓い合った約束〉をモチーフに、現実と理想の壁にぶつかりながらも進んでいく意思を描いたナンバー。個性と意外性に溢れたコードワーク、歌に寄り添いながらエッジの立ったバンドサウンドを炸裂させる、赤い公園にしか生み出せないアッパーチューンだ。そして「pray」は繊細に研ぎ澄まされたピアノの音色、傷ついても旅をやめない“君”への祈りを込めたミディアムバラード。メロディの美しさ、大事な人に対する深い愛情を込めた歌詞に心を奪われる。ぜひ、津野米咲の音楽家としての圧倒的な魅力に思いを寄せながら聴いてほしい。


●KANA-BOON『Torch of Liberty』
 テレビアニメ『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』(MBS・TBS・BS-TBS“アニメイズム”枠ほか)第2クールのオープニング主題歌「Torch of Liberty」は、“解放”をテーマに据えたロックナンバー。徐々に失われつつある自由、少しずつ強まっている抑圧や息苦しさを生々しく描き、〈黙って痛みに耐えるなんて時代はもう/僕らで最後さ 君は自由になれるから〉というフレーズを打ち鳴らす。この曲は『炎炎ノ消防隊』の世界観と重なると同時に、現在のリアルな社会に対するカウンターソングとしても強い存在感を放っている。ヘビーネスと疾走感を共存させたバウンドサウンド、起伏の激しいメロディラインを含め、今年初のベスト盤を発表したKANA-BOONの新たなフェーズを感じさせる、きわめて重要な楽曲だと思う。谷口鮪は、PELICAN FANCLUBによる同アニメエンディング主題歌「ディザイア」のプロデュースも担当。


●HoneyWorks『婚約戦争 feat. 瀬戸口優×望月蒼太×芹沢春輝(CV:神谷浩史・梶裕貴・鈴村健一) / さみしがりや feat. 柴崎健×柴崎愛蔵(CV:江口拓也・島﨑信長) 』
 HoneyWorks公式リズムゲーム 『HoneyWorks Premium Live(ハニプレ)』オープニングテーマ2曲を収めた両A面シングル。“ハニプレ”に登場する、怪盗、探偵、王様のセリフを散りばめた「婚約戦争 feat. 瀬戸口優×望月蒼太×芹沢春輝(CV:神谷浩史・梶裕貴・鈴村健一)」は、ミュージカル的な華やかさをたたえたメロディ、ホーンセクションを取り入れた色彩豊かなアレンジが一つになったナンバー。キャスト陣の“演技”と高揚感に溢れたサウンドも楽しい。「さみしがりや feat. 柴崎健×柴崎愛蔵(CV:江口拓也・島﨑信長)」は、ワケあり兄弟の日常を切ない旋律とともに描き出したナンバー。重厚感のあるストリングス、エモーショナルな歌声が共鳴し、楽曲の背景にある物語を際立たせている。


●祭nine.『轟け、獅子太鼓』
 BOYS AND MENの弟分、名古屋発の6人組エンターテインメント集団・祭nine.からニューシングル『轟け、獅子太鼓』が到着。情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)11月テーマソング、『バズリズム』(日本テレビ系)11月オープニングテーマに起用された表題曲は、〈オイヤッサーオイヤッサー  ズンドコドコドコドッコイショ〉という掛け声が聴こえてきた瞬間に気持ちがグッと上がるお祭りソング。祭り囃子を取り入れたサウンド、和のテイストをたっぷり注ぎ込んだ旋律、前向きな意志を感じさせる歌声など、このグループのコンセプトを改めて提示する楽曲に仕上がっている。我慢するときは我慢して、ハジけるときは思い切りハジけよう! というメッセージを込めた歌詞も2020年の締めくくりにピッタリ。(森朋之)