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ホームレスになってしまったシングルマザー 8歳息子が始めたビジネスが成功し、家を借りられるまでに(米)

2020年11月23日 06:51  Techinsight Japan

Techinsight Japan

8歳男児(右)のおかげでホームレス生活に終止符を打った一家(画像は『Aaron M. 2020年9月16日付Instagram「My family」』のスクリーンショット)
仕事を失い3人の子供を抱えてホームレス生活になってしまったシングルマザーが、8歳の息子に冗談で「なにか商売を始めてみたら?」と伝えたところ、息子はやる気を出してビジネスをスタートし大成功した。一家は稼いだお金で家を借り、ついにホームレス生活から脱することができたという。この商才のある男の子は「将来は裁判官になりたい」と明かしていることを『TODAY』などが伝えた。

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米カリフォルニア州イースト・ロサンゼルス在住のベレニス・パシェコさん(Berenice Pacheco、30)は今年3月、新型コロナウイルスの影響で仕事を失ってしまった。家賃を払えなくなったシングルマザーのベレニスさんは、3人の幼い子供と共に納屋に住まわざるを得なくなった。

一家は外でシャワーを浴び、近くのレストランでトイレを借りて生活した。納屋にはネット環境も無かったので、子供たちは学校の宿題も満足にできなかったという。ベレニスさんは「母親として、子供たちを失望させてしまい本当に辛かったです。公園が唯一の楽しめる場所でしたがコロナ禍で閉鎖されてしまい、それからずっと納屋の中で過ごしていました」と当時を振り返る。

午後になると毎日、息子のアーロン・モレーノ君(Aaron Moreno、8)が大好きなお菓子を積んだトラックが納屋の近くを通ったそうで、ベレニスさんは「携帯料金やコインランドリー代を払うのに精一杯でお菓子を買ってあげることができず、トラックが通るたびに心苦しかったです」と明かしている。

そんな苦しい状況で生活していたある日、ベレニスさんはアーロン君に「お菓子を買うために、なにか商売を始めてみたら?」と冗談で伝えた。するとアーロン君は考え込み、植物を販売することを思い付いたという。ベレニスさんは持っていたなけなしの12ドル(約1200円)を「アーロンのビジネスに投資するわ」と言って渡した。

このお金で小さな多肉植物を8つ買ったアーロン君は、納屋の近くに「Aaron’s Garden」というお店を始めた。すると合わせて16ドルで売れて、4ドルの利益を生み出した。このお金で再び植物を買い販売を続けると、定期的に買ってくれる顧客も現れ、チップも得られるようになった。


12ドルからビジネスを始めたアーロン君の預金残高は、現在数百ドル(数万円)になったという。アーロン君のビジネスはネット上でも評判を呼び、2万人以上のフォロワーを抱えるインスタグラマーとなった。さらにクラウドファンディングサイト「GoFundMe」で寄付を募ると、3万7千ドル(約380万円)近い支援が集まったそうだ。

これらの支援に加え、スポーツブランドで有名な「ナイキ」もアーロン君に支援を申し出た。プランターをデザインしている「Bodega Rose」と協力し、ナイキデザインの靴型のプランターをアーロン君にプレゼントしたのだ。これにはアーロン君も大喜びで、植物をこのプランターに入れて販売した。

多くの支援のおかげでベレニスさん一家は今月初めに部屋を借りることができ、8か月間続いたホームレス生活から脱することができた。ベレニスさんは「キッチンがあり、子供たちが宿題をするスペースのある物件に住むことができて感激です。小さなことかもしれませんが、私達にとっては感動的なことなんです」と語っている。

アーロン君は自身のインスタグラムに「今後はナイキで働いて自分の靴を作ってみたいな。その後は大学に行って裁判官になりたいです」と投稿しており、明るい将来を描いている。

画像は『Aaron M. 2020年9月16日付Instagram「My family」、2020年6月25日付Instagram「8 year old boy trying to build a Bussiness」、2020年10月9日付Instagram「This is my growth compare this to the little 8 plants we started with.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)