住居を選ぶ際、将来的に「持ち家か賃貸か」で悩む人は多いだろう。大学進学や就職などの一人暮らしをする際は賃貸を選んでも、結婚や出産を機に持ち家を購入する人は多い。
キャリコネニュース読者からは、
「賃貸は家賃がムダ」(東京都/50代男性)
「一生家賃を払い続けるのもリスクが高いと思う」(静岡県/30代男性)
「持ち家は売れない」(大阪府/40代男性)
「いずれ空き家が増えてくる」(東京都/50代女性)
と「持ち家派」「賃貸派」それぞれの声が寄せられている。(文:コティマム)
賃貸は老後が心配「老人はなかなか入居できなくなると思う」
まずは「持ち家は必要」と考える人の声を紹介する。
「家賃よりローン支払いの方が安い。持ち家なら子どもが騒いでも傷つけても気にしなくていい」(岩手県/20代女性)
「自分の理想の間取りに住みたい。老後に車椅子が必要になれば、賃貸でない方が良い」(大阪府/50代女性)
持ち家であれば、部屋が汚れても壊れたとしても賃貸のように家主に気を遣う必要がない。またライフスタイルに合わせてのリフォームなども自由にできる。生活空間を快適に保つ上で縛りがないというのがメリットだろう。
また「持ち家派」は、賃貸の場合の将来を心配している。
「今みたいにコロナがはやって収入が減ると、家賃は払えない」(愛媛県/60代男性)
「老後は家賃負担だけでも大変になるし、老人はなかなか賃貸に入居できなくなると思う。自宅を持っていれば安心」(東京都/60代男性)
新型コロナウイルスでは、さまざまな業界が経済的なダメージを負っている。このような大規模な不況が起きた際、収入が減れば家賃を一生払い続けるのは難しい。また老後に年金収入となった場合も家賃は負担になる。
さらに年齢によっては新たな賃貸物件へ入ることが難しくなる可能性もある。こうした将来のリスクから、持ち家があるということは安心感につながるようだ。
世の中が大きく変化している時代だからこそ
では、「賃貸派」はどうだろう。
「ライフスタイルの変化によって変えられるから」(秋田県/40代男性)
「相続する家族等がいれば持ち家が良いが、独りで暮らしていくつもりの人間には必要ないと考える。また隣近所と上手くやっていけない場合、賃貸であれば気軽に転居できるが、持ち家だと転居もなかなかできない」(神奈川県/60代男性)
賃貸の場合、持ち家のように部屋を自由にアレンジすることはできないが、ライフスタイルの変化によってそもそもの棲み家を変えることができる。ご近所や子どもの学校関連のトラブルがあった場合も、引っ越しをすぐに検討することもできる。この身軽さは、賃貸の魅力かもしれない。
また今後の世の中の流れを考えると、「持ち家」にこだわらなくてもいいと考えている人もいる。
「世の中が早いスピードで大きく転換していく時代に、固定資産があると人生の転機に対する変化への対応が遅くなる。具体的には、転居、転職、働き方の変化、ライフステージの変化など」(東京都/30代女性)
「災害が多いし、人口減少で住宅や土地の相対的価値は徐々に下落すると思う」(京都府/30代女性)
「結婚し子どもを産み、大黒柱が稼いでマイホームを建てる」というのは、これまでの日本では当たり前に見られてきた光景だ。しかし共働きや非正規雇用も増え、未婚率も上がり、人口も減少している現在、これまでのスタンダードに当てはまらない人々もたくさんいる。空き家が増え、残った持ち家が「負動産」となり処分に困っている人も多い。
「持ち家」か「賃貸」か。どちらが正しいという答えはないが、それぞれのライフスタイルや将来に合わせて住みやすい環境を選びたいものだ。
※キャリコネニュースでは引き続き「持ち家は必要だと思いますか?」や「年末年始は義実家に帰省しますか?」に関するアンケートを募集しています。