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安東弘樹のクルマ向上委員会! 第43回 乗り心地は? 安東弘樹、マツダ「MX-30」の後部座席に座る!

2020年11月20日 07:02  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
マツダの新型コンパクトSUV「MX-30」に試乗中の安東弘樹さん。今回は2輪駆動(FF)モデルの性能をチェックし、途中から後部座席にも座ってもらった。観音開きの「フリースタイルドア」が特徴のMX-30だが、後ろの乗り心地はどうだったのか。感想を聞いた。

※文と写真はマイナビニュース編集部の藤田が担当しました

○さわやかで、いいクルマ

安東さん(以下、安):(MX-30の2輪駆動で走り出しつつ)シートの表皮がいいですね。ファブリックと合皮ですけど、さらっとしていて。真夏に短パンで乗っても、これなら「あつっ!」とはならないんじゃないかな。まあ、あまり、短パンでクルマに乗ることはないんですけど。願わくば、シートベンチレーションかシートクーラーが欲しいところですけど、たくさんの小さな穴をあけなければならないので、布では難しいんでしょうね。

※編集部注:シートベンチレーションとはシートの排熱機能のこと。背もたれや座面に無数の小さな穴が開いていて、そこから空気を吸いだしてくれるので、使うと熱がこもらず快適。

安:こうして乗っていると、普通にいいクルマというか、さわやかですね。SUVではありますが、すごく目線が高いわけではなくて、ちょうどいい。何にも嫌みがないです。見切りもよくて、何の不安も不満もない。ペダルのポジションも、さすがはマツダという感じです。

ただ、やっぱり、トルクは細い気がします。MX-30もそうですけど、日本のクルマでハイブリッドとターボという組み合わせは少ないですよね。欧州だと、排気量の小さなターボエンジンにハイブリッドという組み合わせをよく見かけますけど、日本車に少ないのは、何か理由があるのかな。私はターボで過給されたエンジンのトルクに慣れているので、自然吸気のエンジンだと物足りなく感じることがあります。

マイナビニュース編集部(以下、編):ターボの日本車に乗る機会って、考えてみれば少ないかもしれないですね。軽自動車だと、必ずターボエンジンが用意されているイメージですけど。

安:今は、そうなのかもしれませんね。1980年代はターボ全盛期でしたけど、基本的にはスポーツカーが搭載していました。やたらタービンの「ヒュイーン!」という音を聞かせたりして。3リッターターボで280馬力の日産「レパード」とか、思い出しますね。

今の欧州車のターボは、過給されている感じを味わうというよりも、単にトルクがあるという感じです。日本はクルマの走行速度域が低いということが関係しているのかもしれません。1人のドライバーの一生の平均速度が、おそらく日本は低いと思うんです。そもそも制限速度の設定が低いし、街中は渋滞しているし……。世界的に見て稀有なくらい低いと思います。

編:それに、スカッとするようなまっすぐな道って、日本だと少なそうですね。

安:北海道くらいでしょうか。北海道に住んでいたら、ほかの地域に住んでいる人に比べて平均燃費が全く違ってくると思いますね。1998年に「ボクスター」(ポルシェ)で北海道に行ったんですけど、平均燃費が17km/Lまで伸びましたからね。都内だと10とか11で、それでもいい方だったんですけど。2.5Lの6気筒ボクサーエンジンを積んでいて、ですよ? 燃費計が壊れたのかと思ったくらいです。

○ちょっと暗い? 後部座席の乗り心地は

安:後部座席の窓は開かないんだ。はめごろしですね。

編:閉塞感とかって、あります?

安:窓が開いてほしいとは思いますね。それと、前のドアを開けないと後ろのドアは開けられないんですけど、後部座席に乗る場合、自分でドアも窓も開け閉めできないというのは、ちょっと……。

運転席側の後部座席に座ると、前のシートを電動で動かせるみたいですね。これは面白い。

ただ、やっぱり、ちょっと暗いかなー。窓が小さいので、潜水艦から外をのぞき込んでいるような感じがありますね。前に人が座っていると、なおさらです。サンルーフが付けられればいいんでしょうけど、オプションにはないようだし……。

運転してみるとすっきりとさわやかなライド感で、MX-30の素性のよさを知ることができたという安東さんだが、後部座席の空間づくりや乗り心地については改良の余地がありそうだと話していた。そのあたりも含め、試乗後にマツダの開発陣に話を聞いたのだが、その模様は次の記事でお伝えしたい。

安東弘樹 あんどうひろき 1967年10月8日生まれ。神奈川県出身。2018年3月末にTBSを退社し、フリーアナウンサーとして活躍。これまでに40台以上を乗り継いだ“クルママニア”で、アナウンサーとして初めて日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。 この著者の記事一覧はこちら(安東弘樹)