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ソフト更新で馬力アップ? マツダが中核モデル「MAZDA3」を改良

2020年11月19日 11:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
マツダは中核モデル「MAZDA3」(マツダ3)の商品改良を実施する。主な内容は、新世代ガソリンエンジン「e-SKYACTIV X」搭載モデルおよびディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.8」搭載モデルの出力向上など。この2車種についてはソフトウェアをアップデートすることで改良を完了させる。

○新エンジン搭載モデルの魅力向上へ

MAZDA3はマツダが「新世代商品群」(第7世代)の第1弾として2019年5月に発売したクルマだ。ボディタイプにはファストバックとセダンの2種類があり、エンジンは新世代ガソリンエンジン「e-SKYACTIV X」、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンの3種類から選べる。マツダはこのクルマを国内外で生産・販売しており、日本における生産台数はSUV「CX-5」に次ぐ同社で第2位の規模となっている。

今回の商品改良で「e-SKYACTIV X」搭載モデルの走行性能が向上する。具体的には、「SPCCI」というエンジンの燃焼制御を最適化し、ほぼ全てのエンジン回転域でトルクと出力を向上させる。最高出力は132kW(180ps)から140kW(190ps)に、最大トルクは224Nmから240Nmにアップする。

制御にも改良を施し、アクセル操作への応答性を高める。MAZDA3主査の谷本智弘さんによれば、改良によりMAZDA3のなめらかな走りに磨きがかかり、「ゆっくり踏めばなめらかに、素早く踏めば速やかに」走る自由自在のコントロール性をより楽しめるようになるそうだ。

1.8Lのディーゼルエンジンを搭載するモデルでは、最高出力を85kW(116ps)から95kW(130ps)に向上させるとともに、より広いエンジン回転域で力強いトルクを発揮する制御を施すことで、アクセルを踏み始めた瞬間の応答を大幅に改良する。高速道路での合流・追い越しのような高速度域での加速で力を発揮しやすくなるなどの効果があるそうだ。

これらの改良はソフトウェアをアップデートすることで実施する。すでに「e-SKYACTIV X」搭載モデルを所有している既存ユーザーに対しては、無償のアップデートを実施するとのこと。ディーラーに持ち込むなどしてソフトを更新してもらえば、自分のクルマの性能が上がるという寸法だ。今回の改良により、新車の価格が上がることはないという。

そのほかの改良ポイントは以下の通り。

■ドライビングダイナミクス
すべての機種でコイルスプリングやダンパーの特性を改良。サスペンション全体をよりなめらかに動かすことで路面から車内に伝わる振動を抑制し、ダイナミクス性能と乗り心地を向上。
■安全装備:安全・安心の向上
クルージング&トラフィック・サポート(CTS、高速道路などで使える追従走行機能およびステアリングアシスト機能)の作動上限車速を時速55キロから高速域まで引き上げ、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC、先行車との速度差や車間距離を認識し、自動で走行速度をコントロールするシステム)の加減速制御をより人間特性に合わせてなめらかに変更する。
■ガソリンエンジン搭載車に6速マニュアルトランスミッションを追加
ファストバックの「SKYACTIV-G 2.0」搭載モデルにMT車を用意。多くの要望があったとのこと。
■「100周年特別記念車 2020 ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー(WCDOTY)受賞記念モデル」を追加
主な特徴はエクステリアカラーの「ソウルレッドクリスタルメタリック」とWCDOTY受賞記念モデル専用オーナメント。

MAZDA3主査の谷本さんは、今回の改良で販売台数における「e-SKYACTIV X」搭載モデルの構成比を増やし、多くの人に「走る歓び」を感じてもらいたいと話していた。(藤田真吾)