2020年11月19日 10:01 弁護士ドットコム
ネットでたびたび議論になる、コンビニ等での年齢確認。AKB48の大家志津香さん(28)も最近、コンビニでお酒を買おうとして、困惑する出来事があったという。
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本人のツイート(11月5日)によると、レジでマスクを外し、成人済みであると伝えたのに、店員は「判断しかねます」と購入を認めなかったのだという。
大家さんは「すっぴん晒しただけでお酒も買えないし恥ずかしかった」。それだけ若く見えたということだろう。一方で「芋焼酎の瓶を買う未成年あんまいなさそうだけど」とオチもつけて、「しぶい」などとファンを喜ばせていた。
どうして年齢確認はこんなに厳しいのか。ある大手チェーンの現役コンビニオーナーは「経営に大きく影響するから」だと言う。
「採用するときには、未成年と思しき人物には必ず身分証明書などで年齢確認するようにと言っています。『なんで売らないんだ』とクレームになることもありますが、警察沙汰になる可能性がありますから」(オーナー)
未成年者飲酒禁止法では、未成年に酒を売らないように、店側に年齢確認を義務付けている。もし未成年者であることを知りながら酒を売ってしまうと、50万円の罰金を科されることがある。
ただし、オーナーが恐れるのはそれだけではない。
「場合によっては、酒販免許を取り上げられてしまうかもしれない。コンビニにとって、お酒の販売は生命線なんです。お酒を買う人はつまみも買ってくれることが多く、客単価が高いんですよ」
かつては酒販免許がなかなか取れず、酒屋が業態転換でコンビニになることも多かった。実際、このオーナーの店では、酒販免許が自由化されたことで、1日の売り上げが5万円ほど増えたという。
オーナーが懸念することはまだまだある。
「チェーンによっては、契約書の中に『未成年者飲酒禁止法に抵触すると契約を打ち切る』という趣旨の項目があります」
実際には状況なども考慮して判断されるのだろうが、契約書に書かれている以上、オーナーが気にするのは当然のことだろう。
年齢確認をめぐっては、明らかに成人しているように見える場合でも、タッチパネルなどで年齢確認を求めることが批判されることもある。
「コンビニは基本、アルバイトで運営しています。高校生や外国人労働者もいるし、リスクをできるだけ小さくするため、画一的な指導をしている店が多いんです」
今回の大家さんのケースについては、次のように感想を述べた。
「店員の対応としては間違っていない。身分証を求められるということは、よっぽど若く見られたんでしょう。見た目だけで20歳を超えているかどうかを判断するのは本当に難しい」
2017年、警視庁が容疑者の画像をネットで公開したところ、中学2年の少女(事件当時は13歳)だったことが判明し、少年法との関係で問題視されたことがあった。未成年飲酒ではコンビニを取り締まる側の警察ですら、大幅な誤解をすることがあるのだ。
「若く見られがちな人は、身分証を持ち歩いてほしい。身分証を見せないと買えないといった仕組みができれば、我々も安心して商売できるのですが」