今シーズン、第13戦エミリア・ロマーニャGPまで13戦連続でポールポジションを取り続けてきたメルセデス。その連続ポールポジション記録は、14戦目にして途絶えた。
しかし予選後にメルセデスが開いたチームの会見に出席したトト・ウォルフ代表は、思いの外、サバサバしていた。それは、ある記者とのこんなやりとりからもわかる。記者から「7年ぶりにトップ5を逃した理由は何か?」と尋ねられたウォルフは、微笑みながら、こう返した。
「えっ、7年ぶりにトップ5を逃したって? それはいつのことだい?」
記者から「2013年のモンツァ以来」と告げられると、ウォルフは「2013年か。私がチームに加入した年じゃないか、くそっ!!」と笑った。
メルセデスが予選でトップ5を逃したのが2013年以来ということは、ハイブリッドパワーユニット時代になってから初めてのことだった。それでも、予選後のウォルフに余裕があったのは、トップ5を逃したこの日の予選が非常に稀なコンディションだったからだと考えられる。
ウォルフも「ウエットコンディションという理由だけなら、ポールポジションを失うことはなかっただろう」と語る。実際、第2戦シュタイアーマルクGPでは、ウエットコンディションのなかルイス・ハミルトン(メルセデス)がポールポジションを獲得している。
しかし、今回トルコGPが行われているイスタンブール・パーク・サーキットは直前に再舗装され、信じられないほど滑りやすい状況だった。
「ウエットであるだけでなく、滑りやすい新しい路面で、かつ外気温と路面温度も低かった。そのため我々はタイヤにスイッチを入れることができなかった。タイヤが適正温度に入っていない状況では、マシンは滑りまくり、ああいう結果になってしまう」
そのうえで、こう言って戒めた。
「しかし、これらのコンディションは我々だけでなく、みんなにとっても同じであるから、それを言い訳にしてはいけない。今日、我々はタイヤにスイッチを入れられなかったが、ほかの数チームはできていたのだから」
「我々はここから学ぶことが必要だ。極端なコンディションでもタイヤにスイッチを入れられるようにしなければならない」