夫の小遣いは如何ほどが妥当なのか。掲示板ミクルに11月上旬、「小遣いが月に1万3000円で、この中にお昼代が込みです」と嘆くスレッドが立った。スレ主の手取りは月25~30万円くらい、乳幼児が1人いるという。最初は1万と言われたが、現場仕事のため「水筒だけでは水分が足りない」と主張すると3000円加算された。もう少し欲しいという要求したが、妻からは
「世の中のお父さんは1万ぐらいで頑張っている」
と言われたという。
投稿者の不満はそれだけではない。朝は6時に起きて朝食の準備、水筒とご飯をタッパーに詰め、ゴミ出しをして家を出る。「妻は起きてもきません」という言葉に不満がにじむ。帰宅後も風呂掃除から子どもの世話、食後の片付けや翌日用の炊飯など、自分が担う家事を書き連ねていた。疲弊した中、土日返上で出勤したときの昼食代は「2日分で1000円」だったというから悲しい。(文:篠原みつき)
「親御さんを入れて話し合うか、主さんが金銭管理したら?ハズレ嫁だと思う」
残業が深夜までかかると分かった夜には、「遅くなりそうだからご飯は片付けといていいよ、晩御飯はマックでも食べて帰るから」とメールすると、返事は「帰ってこなくていいよ」だったという。疲れ果てたスレ主は、今後の不安をこぼしていた。
スレッドへは、「子ども引き取って離婚しなよ」「あり得ない金額」など、妻に対する批判が殺到した。
「親御さんを入れて話し合うか、主さんが金銭管理したら?ハズレ嫁だと思う」
「家事も殆どこなし……過酷。乳幼児がいるからって、召し使いに成り下がっているのでしょうか?」
また、スレ主が家事や育児を頑張っている様子に「下僕のようで可哀そう」と同情する人も多く、
「私は主婦ですが、これが正直な話ならひどい奥様だと思います。主様は優しすぎるのでは?」
「奥さんは専業主婦?だとしたら、1日何してるんですかね。乳幼児がいて育児大変なのは分かるけど、家事怠慢過ぎでしょ」
など、主婦の立場からの叱責も相次いだ。“悪妻がラクをして夫に我慢させている”とみなす人がほとんどだ。
新生銀行が6月に公表した「2020年サラリーマンのお小遣い調査」によると、男性会社員の毎月のお小遣い額は3万9419円、昼食代は585円となっている。スレ主の場合、月20日勤務として昼食代1日500円、150円のペットボトルを買うと、昼食代できれいに無くなってしまう。白米をタッパーに詰めるのはせめてもの節約だろうが、妻が弁当を作ってくれれば……との考えも頭によぎることだろう。
「それぐらい俺もやってるよ?自分の子どもなんだから当たり前」
一方で、「乳幼児って何か月なのか分かんないけど、それぐらい俺もやってるよ?」と、スレ主の家事負担を「それほどでもない」と評価する声もある。妻は出産直後から夜泣きに対応しているし、夫である自分がいるときくらい休めば?という考えだそうだ。
「妻が晩御飯作ってる間あやす、ミルク作るとか自分の子どもなんだから当たり前よ」
「風呂掃除やゴミ出しぐらい当たり前にするよ?自分はこんなにやってるのに!って思い過ぎでない?大丈夫、そんなにやってないよ。普通普通」
確かに、月齢にもよるが乳児の子育ては24時間つきっきりで、ほとんど休まる暇はない。投稿は夫の言い分だけなので悪妻に見えるが、妻からすれば「夫がしている家事はほんの一部」というのもよくある話だ。
それでも、スレ主はよくやっているほうだし、妻からもっと感謝されていい。小遣いも昼食代込みでは無いのも同然だ。ただスレ主は、小遣いの不満よりも「家族のために頑張っているのに、大事にされていない」と感じて辛いのだろう。お互いに思いやりを持って、子育てが大変な時期を乗り越えてくれると良いのだが。