2020年F1第14戦トルコGPの金曜日、FIA会見の第2部には、アルファロメオのフレデリック・バスール代表、ルノーのエグゼクティブディレクターを務めるマルチン・ブコウスキーとともに、アルファタウリ・ホンダのフランツ・トスト代表が出席した。
前戦、第13戦エミリア・ロマーニャGPの3日後、アルファタウリ・ホンダはレッドブルの育成ドライバーである角田裕毅が、イモラ・サーキットで2018年のトロロッソ・ホンダのマシンに乗って300kmというマイレージを消化するためのテストを行った。その件を尋ねられたトスト代表は、テストでの角田の走りを、次のように語った。
「角田はとてもうまくやっていた。彼はすぐマシンに慣れていたし、ブレーキやステアリングを難なく操作し、F1マシンでしか味わえない巨大なGフォースにも耐えていた。スピンは一度も犯さなかったし、もちろんクラッシュもしなかった」
「素晴らしかったのは走ることだけではない。彼は技術的なフィードバック能力にも優れており、チームのエンジニアとのコミュニケーションも問題なく行っていた。非常に良いテストだった」
司会者が「彼は速かったですか?」と尋ねると、トストはこう言い切った。
「もちろんそうだ。彼にはスピードもある。そもそも、そうでなければテストなんてしていないよ」
そのトスト率いるアルファタウリ・ホンダは、現在コンストラクターズ選手権で7位以上がほぼ確定している。6位のフェラーリとの差は14点。逆転できない数字ではない。
「そのためには、イモラでのピエール(・ガスリー)のリタイアは痛かった。でも、まだこのレースを含めて4レースある。できるだけ多くのポイントを獲得してフェラーリを逆転できれば、それはチームにとって素晴らしいことだ」
「だが、我々の主な目標はフェラーリに勝つことではない。いずれのレースでもポイントを取り、さらにそのポイントはできるだけ多く獲得することだ」
エミリア・ロマーニャGPではガスリーが予選で4番手を獲得。このトルコGPでも、初日に2台そろってトップ10に入った。コンストラクターズ選手権では7位だが、速さという点では3番目に速いチームなのだろうか。
「それはまだわからないね。すべてがうまく機能していれば、レーシングポイントのマシンがまだ少し速いと思う。そして、ルノーも非常に速い。しかし、我々はそれらのチームと以前よりも接近してきているし、マクラーレンともいい戦いができている。あとはコースやセットアップがどれくらい決まっているか、そしてタイヤをどのようにマネージメントするかで差が決まると思う。ただ、私は残りのレースに関して、かなり自信を持っているよ」
もしアルファタウリ・ホンダが今シーズン、フェラーリを逆転してコンストラクターズ選手権6位となれば、チーム創設以来初めてフェラーリよりも上位となり、イタリア・ナンバーワンチームとなる。