世界の住みやすい都市1位は東京――。米経済誌グローバル・ファイナンスは10月、「住みやすい都市」をテーマにした2020年の世界ランキングを発表した。同ランキングは、経済成長や研究開発のほか、コロナ死者数などを加えた計8項目をスコア化し、集計した。
名立たる世界の都市を抑え、1位に輝いたのは「東京」だった。ほとんどの項目で比較的高いスコアだったほか、ヨーロッパなどの主要都市に比べて、新型コロナウイルスによる人口あたりの死者数が少なかったことや利便性の高い交通インフラなども理由として挙げられている。
ロンドン、ニューヨークは「コロナ対応」がマイナス要素に
2位は、経済成長と文化交流の項目で圧倒的ハイスコアを誇る「ロンドン」(イギリス)だった。例年であれば、新型コロナウイルスに関連する項目がないため1位でもおかしくなかったが、コロナ対応のまずさや死者数の多さが順位を下げた理由とされている。
3位の「シンガポール」は多くの項目で控えめな評価だったものの、コロナ対応の良さが高く評価された。実際に、居住性では平均未満、研究開発でやや平均以上とほとんどの項目の評価はそれほど高くない。だが、コロナ対応は功を奏しており、すでに99%以上の感染者が回復したと報じられている。
4位に順位を落としたのは「ニューヨーク」(アメリカ)。経済成長、研究開発、文化交流などで好成績を収めたものの、ロンドンと同様に新型コロナウイルスによる死者数が足を引っ張った。アメリカではこれまでに、20万人以上の人が新型コロナウイルスで命を落としている。
5位の「メルボルン」(オーストラリア)は、新型コロナウイルス以外のすべての項目で平均スコアをやや上回った。また、二酸化炭素の排出ゼロを目指した積極的な目標設定などが評価され、環境面の項目で高いスコアを得ていた。
8位にソウル(韓国)、11位に香港(中国)
6位以降は「フランクフルト」(ドイツ)、「パリ」(フランス)、「ソウル」(韓国)、「ベルリン」(ドイツ)、「シドニー」(オーストラリア)などが上位にランクインした。
アジアからは「東京」「シンガポール」「ソウル」のほか、11位に「香港」(中国)がランクイン。18位に「大阪」(日本)、21位に「上海」(中国)、22位に「北京」(同)、23位に「クアラルンプール」(マレーシア)、26位に「台北」(中国)、32位に「バンコク」(タイ)、34位に「福岡」(日本)、42位に「ジャカルタ」(インドネシア)、45位に「ムンバイ」(インド)までがトップ50入りした。