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前足が広がって歩けなかった子ネコ 周囲の愛情と必死の治療で走ることが可能に(米)<動画あり>

2020年11月13日 05:52  Techinsight Japan

Techinsight Japan

特別な包帯を足に付けて治療した子ネコ(画像は『Heather T 2019年10月26日付Instagram「Here’s sweet Melody.」』のスクリーンショット)
前足が広がり歩行が困難だった子ネコが、保護したボランティアによる治療や温かい愛情、そして仲間のネコとのかかわりにより見違えるように元気になった。子ネコが成長していく様子はSNSに投稿され、『The Dodo』が伝えて拡散している。

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米カリフォルニア州サンディエゴ郡ノースカウンティにあるネコの保護施設「Love Your Feral Felines」に昨年10月中旬頃、「路上で歩けないでいるネコを見つけたので保護して欲しい」と連絡があった。

同施設はボランティアで運営する非営利団体で、スタッフがそのネコを引き取って獣医のもとに連れて行くと「スイマー症候群」と診断された。これは歩く時に泳いでいるような体勢を取る運動障がいで、子ネコは前足が外に広がって前進することができなかった。


スタッフはそのネコにディズニー映画『リトル・マーメイドII』の“アリエル”の娘の名前をとって“メロディ(Melody)”と名付け、獣医の指示に従ってすぐに治療を始めた。幼ければ幼いほどより早い回復が期待できるためで、メロディの前両足に包帯を巻き、それを真ん中で繋いで足が開かないように工夫した。

同施設でボランティアをするヘザー・トーマスさん(Heather Thomas)は、メロディの治療について次のように振り返る。

「最初は歩くことを怖がってじっとしていたメロディでしたが、少しずつ他のネコたちと遊ぶようになりました。もちろん最初の頃は足が滑ってしまい歩きにくそうでしたが、包帯を3日ごとに取り換え、数分だけ自分の足で歩くチャンスを与えました。また足で床をしっかりと踏み、歩く感覚を掴ませました。メロディは右足が変形しているため歩くことは簡単ではありませんでしたが、左足は日に日に強くなっていくのが分かりました。」


そして2週間が経つと、ヘザーさんはメロディの里親になることを決意。自宅で引き続き治療を続け、娘のキーリーさんがメロディに集中的な理学療法を行った。

ヘザーさんは「実はメロディの回復を後押ししたのは、ちょうど同じ頃に我が家にやって来た“ポコ(Poco)”というネコでした」と明かすと、こう続けた。

「ポコはメスのきょうだいと一緒に保護されたのですが、きょうだいは亡くなってしまったのです。ただポコの心と身体の傷が癒えた頃にメロディを紹介すると、2匹はすぐに意気投合して一緒に遊ぶようになりました。ポコはいつもメロディと一緒にいることで癒され、メロディはポコを追って歩くことで自信がつきました。ポコがメロディに歩くことや走ることを教えてくれたおかげで、メロディの包帯は11月の半ばには必要がなくなりました。」


こうしてヘザーさんらの温かな愛情と、仲間のポコとの強い絆が生まれたことで、メロディはスイマー症候群を克服。2月末には新しい家族が決まった。残念ながらポコは別の家族に引き取られたが、ヘザーさんは最後にこう述べた。

「メロディは“スクービー(Scooby)”という別のネコと一緒に、とても素敵な家族に迎えられました。ポコとは一緒ではありませんでしたが、メロディはもう大丈夫! 自分の足で新しい人生を歩み始めたのです!」



画像は『Heather T 2019年10月26日付Instagram「Here’s sweet Melody.」、2019年12月9日付Instagram「Fostering is just funny and adorable sometimes.」、2020年2月23日付Instagram「BIG NEWS!!!」』『Love Your Feral Felines 2020年2月11日付Instagram「Adoption Alert」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)