トップへ

ヴィーガン対応スキンケアブランド「アンナチュラリーナチュラル」がデビュー、代表は「セルフ ポートレート」設立メンバー

2020年11月11日 14:22  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

「アンナチュラリーナチュラル」デビューコレクション Image by: FASHIONSNAP.COM
日本発のヴィーガンに対応した新スキンケアブランド「アンナチュラリーナチュラル(UNNATURALLY NATURAL)」がデビューした。ブランドを運営するポートフォリオス(PORTFOLIOS)を設立した代表取締役の平野愛氏は、ロンドンを拠点とするファッションブランド「セルフ ポートレイト(Self-Portrait)」の創業メンバーのひとり。グローバルブランドを手掛けたファッション業界から、なぜ化粧品業界にキャリアチェンジしたのか。ヨーロッパやアメリカと比較してヴィーガンに対する意識が低いとされている日本であえてブランドを立ち上げた狙いを聞いた。

 平野氏はセントラル・セント・マーチンズ(Central Saint Martins)でファッションデザインを学び、在学中に出会ったデザイナーのハン・チョン(Han Chong)を含む3人で卒業後の2013年にセルフ ポートレイトを設立。セルフ ポートレイトではデザインのほか、外部とのコミュニケーションなど様々な業務を手掛けた。

 幼少期からファッションデザイナーを志してきた一方で、中学生時代の友人が敏感肌で肌荒れしやすい体質だったことから肌トラブルが起きにくい化粧品の開発にも関心を持っていた平野氏は、セルフ ポートレイトで創業当初から目標にしてきた旗艦店の出店が決まった2017年(オープンは2018年)に、もうひとつの将来の夢だったスキンケアブランドの立ち上げのために独立を決意。自身が目指すクオリティを実現するための原料や梱包資材のリサーチなどを経て日本に帰国し、2019年3月にポートフォリオスを設立した。
 ブランド名のアンナチュラリーナチュラルは「アンナチュラル(自然由来ではない※意訳)」と「ナチュラル(自然)」を組み合わせた造語で、「植物由来の成分が必ずしも肌に悪影響を及ぼさないわけではなく、またケミカルな原料も刺激になりにくく効果を発揮するものがある」という平野氏の考えを反映した。商品開発ではクルエルティーフリー、アルコールフリー、グルテンフリー、サルフェートフリーを掲げ、刺激の原因と言われている20以上の成分を使わない処方を採用。また、動物実験の禁止や動物由来成分の排除といったエシカルな製品開発を徹底し、アメリカの動物愛護団体「PeTA(People for the Ethical Treatment of Animals=動物へのエシカルな扱いを行う者)」の認証や、イギリスの「Vegan Society(ヴィーガン協会)」の認証マークを取得している。

 ファーストコレクションは、化粧水「ザ・トリートメントローション」(4500円)、美容液「C オイルエッセンス」(4900円)、クリーム「ハイドレート R クリーム」(5000円/いずれも税別)をラインナップ。共通成分として使用しているキウイシードオイルはビタミンCとEなどがエイジングサインに働きかけ、透明感と柔軟性を高める力がある。平野氏はその効能に惚れ込み、海外の工場から直接買い付けたという。生産面では、国内トップレベルの研究開発の知見を持つ化粧品OEM大手の日本コルマーと契約し、安全性や品質を追求。商品はブランドのオンラインストアで先行販売しており、来年1月にポップアップストアなどリアルな場で一般販売をする予定だ。

 平野氏は日本におけるヴィーガンに対する印象について「ベジタリアンやヴィーガンが環境や健康への意識が高い人のためのもの、という考えが少なからずあると感じます。アメリカやヨーロッパでは街のドラッグストアで他のブランドと同じようにヴィーガンブランドが陳列されていて、ヴィーガンではない人が購入することが一般化しています」と話し、アンナチュラリーナチュラルでは全ての人が安心して買えるという意味を込めて「ヴィーガン"対応"ブランド」と表現している。
 今年10月には丸井グループの子会社であるD2C&Co.やアカツキの「ハートドリブンファンド(Heart Driven Fund)」、East Ventures、その他個人投資家複数名を引受先とする第三者割当増資を実施し、総額1億円の資金を調達。平野氏は日本の投資家のヴィーガン向け製品に対する意識の高まりを実感したといい、アンナチュラリーナチュラルを通じて国内のヴィーガン市場の活性化を目指す。集めた資金は商品開発や海外販路の開拓などに活用する予定。現在は国内での販売のみだが、来年以降アメリカに実店舗の出店を検討しており、海外進出にも積極的な姿勢を示している。

■アンナチュラリー ナチュラル:公式サイト