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アン・ハサウェイ、主演映画で演じたキャラクターについて謝罪「障がいのある人々を傷つけてしまった」

2020年11月07日 18:21  Techinsight Japan

Techinsight Japan

アン・ハサウェイが演じる大魔女のキャラクターが物議醸す(画像は『The Witches 2020年10月13日付Instagram「Some days I’m option 2, but most of the time I’m option 3.」』のスクリーンショット)
2006年公開の映画『プラダを着た悪魔』で大ブレイクした女優アン・ハサウェイ(37)。最新主演作『魔女がいっぱい(原題:The Witches)』にも注目が集まっているが、同作品でアン演じる大魔女のキャラクターに対して身体的障がいを持つ人々の間で物議を醸した。

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特殊メイクを駆使し恐ろしい魔女に扮したアン・ハサウェイだが、彼女が演じるキャラクターが身体的障がいのある人に不快感を与えたという。アンは“グランド・ウィッチ(大魔女)”を演じているが、その手先に指は3本しかない。これは「欠指症」という手の先天異常を連想させるとして、身体的障がいを持つ人のコミュニティから相次いで批判をうけたのであった。

パラリンピックの水泳競技選手で生まれつき右手が欠損しているエイミー・マレンさんは、Twitterで同映画制作会社「ワーナー・ブラザース」に向けてこのように抗議した。

「ワーナー・ブラザース殿、キャラクター設定で障がいのある手をモチーフにすることが、そのコミュニティにどんな影響を与えるか十分に考えたことありますか?」

エイミーさんは映画の話であって“魔女”のキャラクター設定であることは理解しつつも、何も知らない人が手足に障がいを持つ人に対して“恐ろしいモンスター”と固定観念を持たれてしまう懸念について説明した。

「魔女は従来“モンスター”であって、この映画を見るのは主に子供達でしょう。しかし子供達は映画のキャラクターの設定ということは知らないし、手足の違いがある人に対して恐怖心を抱くようになるでしょう。」


さらにパラリンピックの公式アカウントも「手足がないことは恐ろしいことではありません。人と異なることは祝福されるべきであり、障がいは標準化して見られるべきです。障がいを持つ人々は、映画『魔女がいっぱい』のなかで障がいがある手が描かれていることを『#私達は魔女じゃない(#NotAWitch)』と非難しているのです」と述べた。

これらの非難を受け、ワーナー・ブラザースは直ちに謝罪。それに続き現地時間5日、同映画主演のアン・ハサウェイも自身のInstagaramに非営利団体「Lucky Fin Project」から使用許可を得たという、手足に障がいのある人達のスピーチ動画をシェアし、長文を綴った。

「私はつい最近、『魔女がいっぱい』の描写が手足に障がいのある人々、特に子供達の心を傷つけたことを知りました。」
「包括性を信じ、残酷なことを本当に忌み嫌う人間として、あなた達の心を傷つけてしまったことを謝罪させてください。本当にごめんなさい。このキャラクターを与えられた時、障がいを持つ人のことは頭にありませんでした。もし知っていたら、あなた達を傷つけるようなことはしませんでした。」
「特に手足に障がいを持つ子供達に対して、本当に申し訳なく感じています。あなた達を悲しませるようなことはもうしないと約束します。」

ちなみにワーナー・ブラザースも「原作に描かれている『猫のような鋭い爪』を、この映画のために再解釈してデザインしたが、決して身体的障がいを持つ人を表現するつもりではなかった」と釈明している。



画像は『The Witches 2020年10月13日付Instagram「Some days I’m option 2, but most of the time I’m option 3.」』『Amy Marren 2016年9月23日付Instagram「Now that I’m home it gives me a chance to say my thank you’s to everyone who has been a part of my journey for the past 4 years」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MIE)