東京商工リサーチは11月5日、新型コロナウイルス関連の経営破綻が2月からの累計で666件(倒産607件、弁護士一任・準備中59件)に達したと発表した。調査は、負債1000万円以上の法的整理、私的整理を対象に実施し、担当弁護士や当事者から要因の言質が取れたものなどを集計した。
単月では、10月に105件で過去最多を更新。6月の103件以降、7月(80件)、8月(67件)と減少傾向が続いていたが、9月は100件に戻っていた。11月も5日までに20件が確認されており、今後も高水準で推移するとみられる。
厳しい中小企業 「従業員数20人未満」が8割を占める
業種別にみると、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた「飲食業」(113件)が増加のペースが鈍らずに突出している。次いで、百貨店や小売店の休業が影響した「アパレル関連」(67件)の増勢が再び強まっており、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響した「宿泊業」(55件)が続く。
このほか、工事計画の見直しなどの影響を受けた「建設業」(41件)、飲食業などの不振に引きずられている「飲食料品卸売業」(34件)、「食品製造業」(27件)なども多い。
都道府県別では、トップの「東京都」(149件)が全体の22.3%を占め、突出している。以降は「大阪府」(69件)、「北海道」(32件)、「兵庫県」(30件)、「愛知県」(29件)、「神奈川県」(28件)などと続いている。
従業員(正社員)数別にみると、最多の「従業員5人未満」(46.4%)が4割以上を占めた。次いで「5~10人未満」(20.1%)、「10~20人未満」(15.8%)などと続き、従業員数が少ない小規模事業者ほど新型コロナウイルスによる影響が大きい傾向があった。一方、従業員50人以上の破綻は8~10月は月間2件以下にとどまっており、小規模化が顕著だった。