F1第13戦エミリア・ロマーニャGPはメルセデスがワンツーを飾り7年連続でコンストラクターズタイトルを決めた。ペースが落ちたバルテリ・ボッタスをかわし2番手に浮上したマックス・フェルスタッペンだったが、突然のタイヤバーストでリタイアを喫してしまった。エミリア・ロマーニャGPの決勝レースを無線とともに振り返る。
※無線レビュー(1)
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エミリア・ロマーニャGP決勝レース、28周目の時点でメルセデスのルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスの差は26.5秒。ハミルトンがピットインしてもボッタスの前でコースに復帰できる、27秒という差はまだ築いていなかった。そういった状況のなかエステバン・オコン(ルノー)のマシンが、アクアミネラリを立ち上がりところでコース脇にストップした。
メルセデス:ルイス、いまのラップは1分17秒5で、ファステストラップを更新する素晴らしい走りだが、確実にトップでコースに復帰するためには、まだあと1秒必要だ
するとここでオコンのマシンを撤去するために、バーチャル・セーフティカー(VSC)が導入され、ハミルトンがピットイン。ボッタスの3秒前でコースに復帰した。3番手に後退したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は、ペースが上がらないボッタスの攻略に苦しんでいた。
41周目
レッドブル・ホンダ:マックス、ターン15の出口でモード8を使ってオーバーテイクするというアイディアはどうかな?
フェルスタッペン:モード8はいままでで最悪だよ!!
レッドブル:了解。わかった、以上だ
それでも、43周目にフェルスタッペンはボッタスのミスに乗じて、タンブレロで見事にオーバーテイク。2番手に上がったフェルスタッペンは、トップを走るハミルトンを目指す。
フェルスタッペン:行くぞーーーーっ
レッドブル:ハハハ
その直後、ケビン・マグヌッセン(ハース)から変わった無線が入ってくる。
マグヌッセン:ひどい頭痛がする。シフトアップのたびに頭を叩かれるような感じだ
ハース:どんな状況だ? 続けられるか? それともリタイアするか?
マグヌッセン:リタイアしないのが僕の仕事だ。痛みがあっても、リタイアはしないよ
しかし、チームはリタイアを決断。47周目にピットインしたマグヌッセンはそのままリタイアした。
2番手上がったフェルスタッペンだが、ハミルトンとの差がなかなか縮まらない。51周目のホームストレートを通過した直後に、レッドブル・ホンダから無線がフェルスタッペンに届けられる。
レッドブル:OK、マックス、いまハミルトンがプッシュするように指示が出された。おそらく、彼らはセーフティカーが導入された際のピットストップウインドウを築きたいんだと思う。あと2秒稼ぎたいようだ
ところが、この会話の途中に、フェルスタッペン側から雑音が。フェルスタッペンの右リヤタイヤがバーストして、コースアウトしたのだ。
レッドブル:あれ、コースアウトした?
フェルスタッペン:ああ、何かが壊れた
ここ(51周目)でレースはセーフティカーが導入される。
メルセデス:BOX、BOX、BOX
しかし、このときハミルトンはピットエントリーを通過。
ハミルトン:間に合わなかった。もうピットエントリーを通過したよ
メルセデス:わかった。じゃ、とりあえずデルタを守って走行してくれ
セーフティカーの出動すると、各車のステアリングに取り付けられた液晶パネルにセーフティカーランの目安のラップタイムが表示される。ドライバーはその指定ラップタイムに近いタイムで走行するためにスピードを落とさなければならない。その数値をデルタと呼んでいる。
その直後、20秒以上後方を走っていたボッタスがピットインし、ハードからソフトに交換して、最後のスプリントレースに賭ける。
ハミルトン:僕たちは勝利を失ってしまうの??
再び、困難な状況に陥ったハミルトンは、その次の周となる52周目にピットインした。
※無線レビュー(3)に続く