2020年F1第13戦エミリア・ロマーニャGPで、アイフェルGP以来、今シーズン4回目のポールポジションを獲得したバルテリ・ボッタス(メルセデス)は、チームメイトのルイス・ハミルトンに比べれば、予選後に行われたFIAの会見では終始穏やかだった。
そんなボッタスだが、最後の質問で少し表情をこわばらせた。その質問とは、「イモラのポールポジション位置は少しだけレコードラインからズレているように見えますが、不利になるとは思っていませんか?」というものだった。
確かにイモラ・サーキットのホームストレートは、F1が最後に開催された2006年の後にピットビルディングが改修され、それにともないスターティンググリッドも最終コーナー寄りに下げられた。
そのため、ホームストレートは右に緩やかにステアリングを切りながら通過し、グリッド後方はアウト(ピット寄り)側がレコードラインになるが、その後少しずつレコードラインは中央側へ寄っていき、3番グリッドあたりからは左右グリッドの間がレコードラインになっている。
最後の最後にぶつけられた質問に、ボッタスはこう答えた。
「データはまだ確認していないんだ。グリッドの左側、または右側にグリップがあるのかどうかはね。確かに、ほかのサーキットほどポールポジションの場所はきれいではないかもしれない。でも、路面の舗装はサーキットごとに違うから、どうなるかは明日になってみなければ、わからないと思う」
ちなみに、イモラは高速コースであるものの、スタート直後の最初のブレーキングゾーンとなる2コーナー(タンブレロ)以外はオーバーテイクが難しい。そのためスタートがいつも以上に重要となる。
今年のレースでは、何度かスタートでポジションを落としてきたボッタス。せっかく巡ってきたポールポジションも、その位置がレコードライン上ではないことを知らされ、後味が少し悪いまま記者会見は終了した。