リンクモンスターは10月30日、「企業の羨望度」に関する調査結果を発表した。調査は9月にネット上で実施し、20~69歳の男女1000人から回答を得た。
知人や友人の勤め先に対して「羨ましいと感じる」(35.2%)と答えた人は3人に1人程度で、前回調査から6.7ポイント低下した。
民間からは「トヨタ自動車」「花王」「キーエンス」などが上位に
「羨ましいと感じる」と回答した内訳は、男女別では「男性」(30.0%)より「女性」(40.4%)、実既婚別では「未婚者」(34.6%)より「既婚者」(35.7%)の回答率が高い結果になった。年代別では「20代」(44.0%)、「30代」(39.5%)が特に高く、若年層の回答率が高かった。
「羨ましいと感じている」と答えた人に対して、羨ましいと思う企業名を聞いたところ、1位は「地方公務員」(15.6%)だった。2位は「国家公務員」(13.4%)。前回、前々回の続いて"公務員"が上位を独占しており、公務員に対する羨望度の高さがうかがえた。
3位以降は「トヨタ自動車」(9.9%)、「花王」(5.7%)、「キーエンス」「ソニー」(各2.6%)、「パナソニック」「任天堂」(各2.0%)、「楽天」「三井物産」「伊藤忠商事」「富士通」(1.4%)などと続いた。
前回調査からの変動が大きかった企業としては、4位「花王」(前回85位)、7位「任天堂」(同44位)、9位「富士通」(同44位)、13位「NTTドコモ」(同85位)のランクアップが目立った。一方で「東日本旅客鉄道」(同9位)、「東海旅客鉄道」(同16位)、「全日本空輸」(同16位)は"回答なし"となり、鉄道・空輸業の羨望度の低下がうかがえた。
年収800万円以上が羨ましいと感じるのは「業績好調」「働き方改革」
続いて、知人や友人の勤め先に対して「羨ましい」と感じる理由を聞いたところ、最多は「給料が高い」(62.2%)だった。次いで「福利厚生が充実している」(44.9%)、「安定性がある」(42.6%)、「働き方改革の取り組み姿勢」(28.7%)の順に続く。
男女別にみても大きな差はなかったものの、女性において「福利厚生が充実している」(50.5%)、「働き方改革の取り組み姿勢」(35.6%)の回答率の高さが目立った。年代別でも、1位はいずれも「給料が高い」であり、20代では「働き方改革の取り組み姿勢」(39.8%)がトップ3入り。一方、他の年代では全体の上位3項目から変化がなかった。
また、年収別の集計でもおおむね全体と同様の傾向がみられたものの、800万円以上の高収入層においては「会社の業績が好調」「働き方改革の取り組み姿勢」の回答率が高かった。
調査会社は総評で、
「知人や友人の勤務先に対する羨望は従来と同様に『高収入、安定』といった待遇面が重視されているものの、昨今の社会情勢において働き方の改革が求められている中では、企業の『働き方改革』への対応についても関心が高まっています」
などとまとめている。