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「RAV4」所有者も嫉妬? ワイルドな特別仕様車が新登場!

2020年10月30日 11:32  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
トヨタの人気SUV「RAV4」に特別仕様車「Adventure“OFFROAD package”」(オフロードパッケージ)が登場した。「アドベンチャー」というグレードをベースにワイルド感を強調した新モデルは、これまた売れそうな要素が満載。すでにRAV4を買って乗っている人も、これを見たら嫉妬するかもしれない。

○ワイルドな「RAV4」が346万円で買える!

トヨタの「RAV4」が売れている。そもそも北米をメインに計画されたモデルだが、日本でも半年以上遅れて販売に漕ぎ着け、高い人気を得ている。先代が日本で販売されていないだけに、不思議な現象だ。

人気の理由は、このクルマのコンセプトそのものだろう。例えばスタイリング。アーバンテイストに仕上げられるSUVが氾濫する昨今、RAV4はオフローダーテイストを強めた作りが特徴だ。あえての逆張りである。結果、北米で大人気になったのと同様、日本でも人気を博したのだと思われる。RAV4の中でも、「アドベンチャー」というグレードは特にオフローダーテイストが色濃く、ワイルドなグリルで表情を作っている。

今回、富士スピードウェイの一角でステアリングを握ったRAV4の特別仕様車「オフロードパッケージ」は、まさにアドベンチャーのその先を行くモデルであった。

特徴は見ての通り。仕立てはワイルドだ。専用サスペンションでボディは10mmリフトアップされ、タイヤもトレッドのブロックが目立つオールテレインを装着する。マットブラック塗装の18インチ専用アルミホイールもそれを助長するパーツだ。スタンダードのアドベンチャーは19インチなので、比べるとよく分かる。インチダウンしてタイヤの肉厚を太くした方が、オフロード色は強くなるからだ。

オフロードパッケージはルーフレールも特別。スタンダードがフラット型であるのに対し、こちらはブリッジ型を採用した。それに専用のクロスバーを販売店で装着することができるので、リアルに使える。スキーやスノボ、サーフボード用のアタッチメントをクロスバーに付ければそれでOKだ。

オフロードパッケージが個性的に見えるのには、ボディカラーも関係している。ホワイト、グレー、ブラックの保守的な3色という設定なのだが、マットブラックに塗られたホイールとオールテレインタイヤとが相まって、ワイルドさが強まっているのだ。個人的にはアドベンチャーのアーバンカーキが好きだが、こちらもいい感じだと思う。

リアに貼られた“OFFROAD package”のエンブレムがマットブラックというのもニクい演出である。そうそう、グレーメタリックに塗られた前後のスキットプレートも忘れてはならない。アドベンチャーのシルバーとは違った雰囲気をもたらす要ともいえる。

○悪路走破性が向上! キャラがより濃厚に

では、実際に走らせるとどうなのか。ドライバーズシートに座った印象は、アドベンチャーとそれほど変わらない。全高はルーフレールの35mmと足回りの10mmでアドベンチャーより45mm上がるが、ドライバー目線はほぼ一緒だ。ただ、足回りの違いでテイストは明らかに変わる。今回はオフロードのみだったのでハンドリングは分からないが、乗り心地はワルくない。

それよりも、今回はバンクやモーグル、登坂セクションを走らせて、このクルマの懐の深さを感じることができた。4WDシステムの「マルチテレインセレクト」でダイヤルを「ロック&ダート」にセットすれば、あとは勝手に電子制御でトラクションを効率よくかけてくれる。タイヤが空転するとそこにトラクションが集まってしまうが、そのタイヤにブレーキをかけることで、トラクションを効かせたいタイヤを回すことができるのだ。

トラクションがどのタイヤにかかっていて、その強さがどのくらいなのかをマルチインフォメーションディスプレイで確認できるのも楽しい。4つのタイヤのどこにトラクションがかかっているのかが一目瞭然である。ちなみに、滑りやすい泥や砂の路面に対しては、“マッド&サンド”というポジションが用意されている。これを選べば、制御の基準を変えて最適なトルク配分を行ってくれる。

オフローダーにあると嬉しい機能「ヒルディセントコントロール」も試したが、滑りそうな急勾配の下り坂でもこれがあれば心強い。アクセルもブレーキも踏まずして、クルマが勝手に安全領域を担保しながら坂を下ってくれるのだ。まぁ、日常生活で滅多にそんな場面には遭遇しないだろうが、あったら便利であることは間違いない。

というのがオフロードパッケージに触れた印象だが、個人的に評価は◎。とにもかくにも、スタイリングがかっこいい。グレーボディにマットブラックのホイールはよく映える。それに、10mmでも最低地上高が上がったことで各アングルも深くなっているし、オールテレインタイヤの走破力も意外に高い。

さらにいえば、このクルマは他のモデル同様、生産ラインで専用パーツを組み付けるそうだ。ダンパーもバネもそこで装着する。つまり、生産ラインクオリティ。これは、我々にとっては安心材料といえるし、メーカーにとっては大きな変革なのではないかと思える。生産ラインに遊び心を持ったカスタムカーが流れるんだからすごい。

ということで、こいつもノーマルのRAV4同様、人気になるのは間違いなし。特別仕様車だが限定ではないらしいので、焦らず注文できる。それと、これが成功すれば第2弾、第3弾も登場すると思われるが、次はどんなカスタムが施されるのか興味津々だ。いずれにせよ、RAV4人気はまだまだ続きそうである。

九島辰也 くしまたつや 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』(世界文化社)副編集長、『アメリカンSUV』(エイ出版社)編集長などを経てフリーランスに。その後はメンズ誌『LEON』(主婦と生活社)副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、ゴルフ、クルーザーといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしてもさまざまな商品に関わっている。一般社団法人 日本葉巻協会会員。東京・自由が丘出身。 この著者の記事一覧はこちら(九島辰也)