レッドブルF1の首脳陣は、ピエール・ガスリーを2021年にレッドブル・レーシングに復帰させる可能性を明確に否定した。モータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、ガスリーは2021年にアルファタウリに残留すると発言している。
アルファタウリの前身トロロッソからF1にデビューしたガスリーは、2019年にレッドブルに昇格したが、首脳陣が満足するパフォーマンスを発揮することができず、シーズン半ばでトロロッソに戻された。しかしその後、ガスリーは2019年ブラジルGPでは2位表彰台、2020年イタリアGPでは優勝を獲得、強さを見せつけている。
一方、ガスリーに代わってレッドブルに昇格したアレクサンダー・アルボンは、チームメイトのマックス・フェルスタッペンとの差を縮めることができずにおり、ガスリーと交代させられるのではないかという推測も持ち上がってきた。レッドブル首脳陣は、アルボンを強くサポートしつつも、来年は他のドライバーに変更する可能性を認めている。ただし、ガスリーをレッドブルに起用する考えはなさそうだ。
チーム代表クリスチャン・ホーナーは、ガスリーの好調さについては、レッドブルほど大きなプレッシャーがかからないアルファタウリの環境がプラスに働いているとの考えを示した。
「我々はドライバーたちに関して長期間にわたる大量の情報を持っている。ピエールは見事な仕事をし、アルファタウリの今の環境のなかで非常にいい走りをしている。今の環境では担うプレッシャーも期待も、比較的小さく、アルファタウリのマシンで快適に走っている」
「彼らチームの野心はトロロッソ時代とは異なる。そのためピエールとアルファタウリチームの方向性において彼らがうまく適合しているというのは理にかなったことだ」
ホーナーは、アルボンとガスリーを交代しても、チームにとって結果は変わらないと考えている。
「交代しても、全く同じ状況になると確信している」とホーナーはSky Sportsに対してコメントした。
「アルファタウリのマシンの方が運転しやすい。アレックスがあの(アルファタウリ)のマシンに乗れば、今のピエールと同じパフォーマンスを発揮するだろう。我々はドライバーたちの情報を大量に持っている。マシンの特性がかなり異なっているのだ」
「アレックスはある状況で苦戦しているが、それは12カ月前のピエールと同じだ。我々はこの問題に対処する必要がある」
■マルコ「ガスリーは残留、アルファタウリのラインアップはバーレーン後に確定」
マルコはガスリーに二度目のチャンスを与える可能性をはっきりと否定した。
「ガスリーについてはすでに結論を出している」とマルコは『RTL』に対して語った。
「彼はアルファタウリで走る。チームメイトについては、遅くともバーレーンGP後には発表するつもりだ」
アルファタウリの2021年ドライバー候補としては、ホンダとレッドブルのジュニアドライバーで、現在FIA-F2に参戦する角田裕毅が有力であると考えられている。
「アレックスは一貫性を高める必要がある。マックスとの差が大きくないときもあるが、非常に大きいときもある」とマルコ。
「前進してさえいれば、彼は我々のドライバーだ。決定は急がない」
レッドブル首脳陣はシーズン途中でアルボンを降ろす可能性を否定しているが、2、3週間のうちに彼らを納得させるだけの結果を出すことをアルボンに求めている。アルボンを来年起用しないと決めた場合は、レッドブル傘下以外のドライバーと契約することを考えており、有力候補はセルジオ・ペレスとニコ・ヒュルケンベルグであるとみられる。
ホーナー代表は「今獲得可能な選択肢を把握している。だが我々としてはアレックスにチャンスを与えたい。彼が好調さを見せてシートをつかむためのチャンスをできる限り与えたいと考えている」と語った。