通算9度のMotoGPワールドチャンピオンであるバレンティーノ・ロッシは、2020年WRC世界ラリー選手権の最終戦に追加設定された『ラリー・モンツァ』に出場することに関心があると認めている。
二輪界の“レジェンド”がイタリア北部、モンツァが舞台となるイベントでラリーカーをドライブすることは、もはや不思議な光景ではない。今年41歳となったイタリア人ライダーは過去に行われたフルターマック(舗装路)ラリーにおいて、通算7回の優勝を飾っているためだ。
今月始めにWRCのカレンダーのフィナーレに組み込まれ、12月4~6日に開催されることが決定したラリー・モンツァ。このイベントへの参戦計画を問われたロッシは、WRC.comに対して次のように述べている。
「モンツァのことは知っている。すでに多くの人が僕に電話をかけてきたよ」
「2019年と同様に、アブダビ(ガルフ12時間)でレースをしたかったため、モンツァに出るつもりはなかったんだ」
「しかし状況が変わったことはたしかだし、世界選手権の最終ラウンドになったことで、より興味深いものになった。僕はいま何が起こっているか見なければならない」
ロッシが最後にモンツァで優勝したのは2018年。この年、彼はフォード・フィエスタWRCをドライブしている。
そのフィエスタを開発、供給しているMスポーツ・フォードのリチャード・ミレナー代表は12月のイベントで、イタリア人レジェンドをチームに迎えることに関心があることを認めた。
「我々は何年もの間バレンティーノと一緒に仕事をしてきた」
「彼のような選手がイベントで見られるのは素晴らしいことだ。モンツァはWRCに本当に面白い機会をもたらすと思う。過去にも何人かのスター選手たちが参加しているからね」
■ヒュンダイもゲストドライバーを起用か
ヒュンダイ・モータースポーツを率いるアンドレア・アダモもWRC最終戦モンツァで、チームにスタードライバーを迎えることを検討しているという。
その候補のひとりであるとみられるロバート・クビサは、2013年から15年の3シーズンにわたってシリーズに参戦した。
「モンツァにはいつもよりも多くのマシンがあるかもしれない。より多くのWRCカーがあれば、それは素晴らしいことだ」と語ったアダモ。
「適切なゲストがいれば、WRCへの注目度を上げるために、私たちはその機会を利用しなければならないと考えている」
「私は誰かと協力し、より多くのクルマを持ち込もうとしていることを否定することはできない」
現在はDTMドイツ・ツーリングカー選手権を戦うクビサもまた、ラリー・モンツァでの優勝経験を持つドライバーのひとりだ。元F1ドライバーのポーランド人は2014年のモンツァを制している。