スーパーフォーミュラ・ライツやフォーミュラ・リージョナルで今季多くの勝利を挙げ、ノッているK-tunes RC F GT3の阪口晴南は、スーパーGT第6戦鈴鹿の公式予選を前にチームに懇願した。レクサスRC F GT3は鈴鹿を得意としており、ダンロップタイヤも調子を上げている。公式練習で気になった部分のセット変更がうまくいけば、自らの速さでポールポジションを獲る確信があったからだ。
チームは阪口をQ2に据えることを決め、大ベテランの新田守男がQ1を担当することになったが、阪口は新田が叩き出した1分56秒459というタイムをモニターで見ると、「めっちゃ速くて驚きました(笑)」と途端にデータロガーを見返した。Q2に志願はしたものの、阪口には逆にプレッシャーがかかりはじめた。Q1を担当した新田はK-tunes RC F GT3のコクピットから下りると、阪口に笑顔で“圧”をかけはじめる。ただ、そこは好調の阪口。見事チームからの笑顔のプレッシャー(?)をはね除け、自身初のポールポジションを決めてみせた。
今回のK-tunes RC F GT3のポールポジションは、先述のとおり公式練習からのセットアップ変更が功を奏するかたちとなったが、「ここを直せばポールポジションを獲れるはずと自信があったんです」と阪口が言うとおり、チームの総合力が繋がった。そしてセット変更をした状態で見事Q1でトップタイムをマークした新田の実力もさすがというところだろう。
そして、K-tunes RC F GT3にとっては今季ダンロップタイヤに変更してから初めて目に見える結果に繋げることになった。第4戦もてぎでも速さはみせはじめていたが、2019年にタイトルを争っていたチームにとって、タイヤを変更した序盤戦は苦労が多いシーズンとなっていた。