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セブンのサンドイッチ、「中身スカスカ」で騒動に…「上げ底惣菜」に法的問題は?

2020年10月24日 10:11  弁護士ドットコム

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セブンイレブンの「厚焼たまごミックスサンド」のパンを剥がした画像がネットで話題になっている。包装越しにみると、大きな厚焼たまごが入っているように感じるが、中身はスカスカだったというのだ。


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画像によると、表から見えていたのはペラペラのたまご焼き。中央に四角いたまご焼きも入っているとはいえ、三角形の中に収まるサイズだから「余白」が大きい。







ネットでは以前から、セブンの一部弁当容器の「上げ底」を指摘する声もあり、今回、厚焼たまごが2つに分けられていることもあいまって、「ステルス値上げ」を疑う人が多かったようだ。



●編集部も購入 厚みにはバラつきがある?

ただし、たまご焼きの厚さには、バラつきがあるのかもしれない。編集部も実際に買ってみたが、外から見える部分のたまご焼きはそれなりに分厚く、余白もほどほどといった感じだ。





そもそも具材がぎっしり詰まっていれば、食べている途中ではみ出してしまうかもしれない。上げ底も含めて、包装や盛り付けなどには食べやすさや輸送絡みの意図もあると考えられる。



とはいえ、近年、菓子類などで値段は変わらないのに容量が小さくなる「シュリンクフレーション」と呼ばれる現象が相次いでおり、消費者の目線は厳しくなっている。



開封したら思っていたよりもサイズが小さかったとなれば、消費者が「だまされた」と思ってしまうのも不思議ではない。一般論として、商品の外観イメージと実際の容量に乖離があっても法的に問題はないのだろうか。金田万作弁護士に聞いた。



●「見本」と著しく差があれば問題になりうるが…

――かつて見本写真とまるで違う、スカスカのおせちが炎上したことがありました。メニューにあった料理が入っていなかったり、食材の産地が違ったりしたことなどから、景品表示法に違反するとして、措置命令が出ています



景表法(不当表示防止の部分)は、不当な表示によって客を誘うのを防止するために、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為を制限や禁止する法律です。



チラシやウェブサイトの宣伝も「表示」にあたり、その見本等が実際の商品と比べて著しく量が多かったり質が良かったりする場合には、景表法5条1号の「商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良である」表示として、景表法違反となります。



また、購入者は民法の詐欺や錯誤として契約を取り消すこともできます。



●「名称」はポイントの一つ

――特に見本がなく、包装などから受けるイメージと乖離がある場合はどうでしょう?



例えば「大盛○○」や「満腹○○」などの量が多いことを示すような名称であるのに実際には上げ底などで量が少なければ、景表法違反となることもありえます。



包装の仕方というのは、一般消費者の受けるイメージ(量など)というものを具体的に想定するのが難しく、「実際のものよりも著しく優良」と言えるためには、見た目と比べ実際の商品の量が著しく少ないなどの事情が必要で、景表法違反となるケースはほとんどないかと考えます。



民法の詐欺や錯誤もほぼ同様に考えられ、名称との齟齬は主張しやすいですが、包装の仕方との齟齬では取り消しは難しいです。




【取材協力弁護士】
金田 万作(かなだ・まんさく)弁護士
第二東京弁護士会消費者問題対策委員会(電子情報部会・金融部会)に所属。複数の消費者問題に関する弁護団・研究会に参加。ベネッセの情報漏えい事件では自ら原告となり訴訟提起するとともに弁護団も結成している。

事務所名:笠井・金田法律事務所
事務所URL:http://kasai-law.com