第12戦ポルトガルGP直前の10月22日(木)、ハースF1チームはロマン・グロージャンとケビン・マグヌッセンが2020年末でチームを離脱することを正式に発表した。
その直後に行われたFIAの会見で、グロージャンはこう語った。
「新型コロナウイルスによって、世界中の多くの企業が財政的に非常に困難な状況に陥っているため、少なくとも僕たちのどちらかひとりは、今シーズン限りでチームを去らなければならないことは予期していた」
「だから、ギュンター(・シュタイナー代表)から電話がかかってきたとき、『僕はわかっているよ。ふたりのうちのどちらかが僕だっていうことはね』と尋ねたんだ。するとギュンターは『違うんだ。ふたりのうちのどちらかではなく、経済的な理由でふたりともなんだ』と。じゃ、しょうがないというわけさ。僕たちは別の道を歩み出すことになった。いまはチームの幸運と未来を祈りたい」
つまり、今回のハースの決定はスポンサーマネーを持ったいわゆる“ペイドライバー”を獲得することを意味する。ただし、グロージャンもマグヌッセンも個人スポンサーがまったくないわけではない。しかし、グロージャンはこう断言する。
「確かに僕にも支援してくれるパートナー企業はあるけど、僕はシートをお金で買い取るペイドライバーだったことは一度もないし、なりたいとも思っていない」
マグヌッセンもこう言って、ため息をつく。
「桁が違うんだ。僕にもスポンサーはいるけど、チームが必要とする大金を用意することはできない。彼らが持ち込むスポンサーマネーに比べたら、大した額じゃないんだ」
ふたりとも今後のことは、まだ何も決定していないと言う。F1にとどまりたいが、残されたシートは多くはなく、ほかのカテゴリーも視野に入れなければならない状況だ。
もちろん、チームが少しでも早く決定してくれることに越したことはなかったが、グロージャンはそれについてもチームの判断に理解を示した。
「もちろん、早いほうがいいことに変わりはない。でも、僕は前にも2012年だったかな、もしかしたら2011年だったかもしれないけど、12月8日に翌年のシートの決定を聞かされたことがあった。だから、ギュンターが電話してきた先週というタイミングは、僕にとっては何も問題はない」
いずれにしても、ハースの2021年のドライバーラインアップは完全に新たなものになることとなった。金曜日のFIA会見にはシュタイナー代表が登場する。そこで、新しい発表があるのか?