長き伝統を誇った全日本F3選手権から、2020年に新たにシリーズ名称が変更された全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権。10月17日~18日にスポーツランドSUGOで行われた第3ラウンドでシリーズは折り返しを迎えたが、第8戦までを終えて宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S 320)が85ポイントでリード。阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)が63ポイントでランキング2位と、一騎討ちの様相を呈している。
今季からダラーラ320を使用するスーパーフォーミュラ・ライツは、第1ラウンドとなる8月29~30日のツインリンクもてぎでのレースから、11~12台が参戦。第1ラウンドでは今季タイトルが至上命題となっている宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S 320)が3連勝を飾り、さらに2回のポールポジションと3回のファステストラップを獲得し、フルマークでこれ以上ないスタートを切った。
続く9月26~27日に岡山国際サーキットで開催された第2ラウンドでは、第4戦こそ宮田がポール・トゥ・ウインとファステストラップを獲得し12点を稼いだが、第5戦では2番手だった阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)が好スタートを決め、全日本F3時代から念願だった初優勝を飾った。
シリーズは11月のオートポリス、12月の鈴鹿、富士という3ラウンドとなっているが、第1ラウンドのもてぎで思わぬ差をつけられた阪口だが、第2ラウンド以降復調と呼べる流れになりつつあり、宮田としても安穏としてはいられないはずだ。特にオートポリス、鈴鹿ともこれまでB-MAX RACING TEAMが比較的成績が良い。
一方で、“表彰台争い”も毎戦激しい争いとなっている。小高一斗(カローラ中京 Kuo TOM'S 320)が5回、そして名取鉄平(TODA FIGHTEX)が2回、第2ラウンドにスポット参戦した片山義章(B-MAX RACING with OIRC)が1回という顔ぶれとなっている。ランキングでは、これに河野駿佑(RS FINE K&N 320)が続く。
当然レギュラー参戦する3人は、あわよくば宮田、阪口の間に入りたいところでもあり、今後後半戦でさらなるジャンプアップを果たす可能性もある。特に河野は開幕前のテストではカローラ中京 Kuo TEAM TOM'S勢に食い込むスピードをみせており、復調が待たれる。第2ラウンドまで参戦した神晴也(Albirex-RT)、また第3ラウンドで3連続入賞を果たした入山翔(Albirex-RT)も楽しみな存在だ。
また後半戦で気になるのは、B-MAX RACING TEAMの51号車と52号車の存在だ。新型コロナウイルスの影響で外国人ドライバーが来日できず、毎戦ドライバーを入れ替えているが、シーズン後半に水際対策が緩和され、強力なドライバーが参戦した場合はタイトル争いや表彰台争いに影響がある可能性もある。