7月までに全国の自治体が受理した妊娠届が、前年から約5%減少したことが10月21日、厚生労働省のまとめで分かった。調査は、同省が新型コロナウイルスの流行が妊娠を希望する人の行動にどう影響するかを把握するために実施した。
今年1~7月に受理した妊娠届の累計は51万3850件。前年同期の54万1656件から2万7806件(5.1%)減少した。
「妊娠中にコロナ感染したら」「収入減にリストラ危機も……」
月別にみると、最も減少幅が大きかった5月の届け出数は6万7919件で、前年同期比17.1%減。以降も6月が同5.4%減、7月が同10.9%減と大幅な減少傾向が続いている。
これがネット上で話題になり、5ちゃんねるでは「こんな時に妊婦検診行けない」「妊婦が感染したら治療薬にも制約出るだろうし、春以降はリスク回避しちゃっただろうね」といった投稿が相次いだ。
一方で「給料は減るわ、ボーナスカットになるわ、リストラされそうなのに。結婚して子ども産もうとする奴いるのか」との声もあり、経済的な背景が一因にあるとする人もいる。
厚生労働省の担当者は
「原因は一概には言えないが、妊娠自体が減っているのか、もしくは外出自粛などで役所に届け出をしていない人が増えた可能性もある」
と指摘する。妊娠の届け出は母子健康法で定められており、自治体は届け出を受けて母子手帳を交付する。同省は妊娠11週以下の届け出を推奨しているが、届け出をしなくても罰則はない。同省によると、2018年度には93.3%の妊婦が妊娠11週までに届け出を行っているという。
新型コロナウイルスの影響については「(妊娠)行動を変えている一因だとは思う」(同担当者)と話す。だが、現時点では「妊娠するという行為に直結しているかは分からない」とした。
今後も集計は続け、数か月後に続報を出す予定。同担当者は
「今後も継続して安心して妊娠、出産ができる体制を作っていきたい」
と話した。具体的にはオンライン相談などに応じていくという。