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少女の首を絞め失神させた「心臓フェチ」男、“性的興奮”を商品化したエグい手口

2020年10月22日 05:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

フランス旅行での天本容疑者(本人フェイスブックより)

「天本さんはとてもおとなしく、紳士的な方でした。未成年の女性を無理やり襲うようには見えませんでしたが……」

 驚きを隠せない様子で容疑者を知る女性A子さんは語る。

容疑者は「フェチ」コンテンツを扱う会社の社長

 特定の身体の部位やものに執着を示す「フェチ」コンテンツを扱う会社「フェチケットジャパン」社長の天本涼太容疑者(29)は10月3日、SNSで出会った「心臓の音」に興味のある少女(17)を大阪府内のインターネットカフェに誘う。

 そこで、お互いの心臓の音(心音)をききあった際に少女の首を絞めて失神させるなど軽傷を負わせ、未成年者誘拐と傷害で7日、大阪府警に逮捕された。本人は容疑を認めている。

「容疑者はいわゆる『心臓フェチ』という性癖を持っていた。少女を未成年だと知りながらカフェに連れ込み、“首を圧迫すると快感が得られる”と言って首を絞めた。少女は“失神させられるほどの行為は容認していない”と話している」(捜査関係者)

 ネット上で、女性が窒息する様子や首を圧迫された際の心音を収録した動画を販売していた容疑者だが、一連の行為は同意のもと撮影していた。

 そもそも「心臓フェチ」とは何なのか。容疑者は自身のnote(ブログのようなもの)で、「心臓に対して尊さや性的興奮を覚える人」と定義する。

 容疑者と面識のある女性B子さんは、その偏愛ぶりについて説明されたことがある。

「彼は心臓に触れたいという思いで、死ぬまでに心臓外科医になりたいと語っていました。“自分の心臓を取り出して触れてみたいが、これは一生満たされることのない欲求だ”とも」

 自らも心臓フェチだという男性Cさんによると、

「(心音は)普段の生活で絶対にきくことができないので、興味を抱くのだと思います。首絞めによる心拍数の増加や相手の容姿で興奮は増し、“相手も生きているのだな~”と安心感が得られます」

 心臓フェチの中でも嗜好や度合いは人それぞれだというが、性的興奮を感じることも。

 冒頭のA子さんは容疑者から詳しく聞かされていた。

「性交渉のとき男性は女性の服を脱がせて胸をもむと、気分が盛り上がりますよね。彼は胸に耳を当てる行為で同じく興奮し、挿入できる状態になるそうです」

 犯行時、容疑者と少女の間に性的行為はなかった。

フェチ界隈ではカリスマ的存在だった

 物心ついたころから心臓フェチだったという容疑者。同じ嗜好の人と出会えず性的マイノリティーとしての悩みを抱えていた時期もあった。

 筑波大学ではコンピューターサイエンスを学び博士号を取得しており、在学中には農林水産省が後援の論文懸賞で優秀賞を獲得したこともある。

 卒業後の’15年に富士ゼロックスへ入社し、エンジニアとして働いたエリート。’18年に退社し「フェチケット」を海外から起業しやすいエストニアと日本の2か国で立ち上げ、貯金を崩しながら、国境を越えてフェチのサービスを展開してきた。

 どんなサービスを提供していたのか。元利用者によると、

「『フェチケット』ではユーザーが自身の心音動画、舌や傷痕の写真などのフェチコンテンツを売買できます。世の中には特定のフェティシズムでしか満たされない人が大勢おり、数少ない『自分が否定されない場所』として機能していたと思います」(事件後、サービスは停止中)

 HPでは緊縛フェチ、耳かきフェチ、おならフェチ、嘔吐フェチ、風船フェチ、死体フェチなど多様な嗜好がリストアップされていた。

「自身の愛好を隠す人が多い中、天本さんはオープンにしてフェチの理解を広めようとしていて、界隈ではカリスマ的存在でした。“フェチを語る集い”など、イベントもよく開催していた」(元利用者)

 経営のかたわらで、容疑者は心音をきくために多くの女性と接触していたようだ。

 ツイッターで知り合い、容疑者に誘われる形で心音をきき合ったこともあるという女性D子さんによると、

「天本さんは嫌なことはしない、嫌がったらすぐやめることを徹底していました。きき合い以外の行為はなく、後で楽しむ用に録音もしました」

 録音はスマホの録音機能のほか、聴診器を用いることも。

 そのほか、会社のユーチューブには過去に録音した女性の心音動画も投稿されており(ほとんどは削除ずみ)、中には女子高生らしき少女を失神させたときの動画もある。

フェチが高じて死んでしまう人もいる

 危険はなかったのか。ときにはフェチが高じて死亡事故が起こることも……。

 前出のCさんによると、

「最近、快感を得るために心臓に針を刺して失血死した男性がいます。彼は心臓そのものへの興味が強い方でした」

 男性は“自分は死なない”と言って胸に電流を流したり、長い針を刺したりしていた。

「危険を冒す人はごく一部です。それでも、中には死んでしまう人がいることを知ってほしいです」(Cさん)

 今回の犯行も、一歩間違えれば大事に至った可能性は考えられる。同意がなかったならなおさらだ。

 なぜ容疑者は今回のような事件を起こしたのか。三重県にある実家の母親に尋ねた。

「1か月前に帰省しましたが、特に変わった様子はありませんでした。息子は未婚。会社の運営やフェチだったことなどは逮捕のニュースで知って、驚いています……」

 フェチは人それぞれで尊重されるべきだが、嗜好を満たすための行きすぎた行為は慎むべきだろう。