マクラーレン・オートモーティブは、2020年にマクラーレンとふたたびパートナーシップを結んだオイルブランド、ガルフのブランドカラーに彩られた『マクラーレン・エルバ』をグッドウッド・スピードウィーク内で世界初公開した。
フロントスクリーンレスのオープンシーターというレーシーなスタイルを持つエルバ(Elva)は、『P1』『セナ』『スピードテール』に続くマクラーレンのアルティメットシリーズ最新モデルだ。
その特徴的なスタイリングは、ブルース・マクラーレンの下に誕生し1960年代のスポーツカーレースで活躍した初期のスポーツカー『エルバ』を彷彿とさせるものとなり、同時にネーミングを引き継ぐことでマクラーレンのヘリテージを現在から未来へと受け継いでいく使命を負う。
新しいエルバは、マクラーレンP1をはじめとする他のアルティメットシリーズと同様に、軽量構造のポリシーを遵守しつつ最先端の自動車技術が採用されている。具体例のひとつは、エアロダイナミクスを用いコックピット上にバーチャル・キャノピーを発生させる、革新的なアクティブ・エアー・マネジメント・システム(AAMS)だ。
搭載される4.0リットル・ツインターボV8エンジンの最高出力は815PS、最大トルクは800Nmをマークし、驚異的なパフォーマンスとかつてないドライビングプレジャーを提供するという。
今回、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのオンラインイベント内で初公開された車両は、そんなエルバのガルフカラー仕様。これを手掛けたのはマクラーレン・オートモーティブのビスポーク部門であるマクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)だ。
1960年代から続いたマクラーレンとガルフは歴史的な結びつきは一度解消されたものの、2020年7月に両者はふたたびパートナーシップを締結。マクラーレンのF1部門と市販車部門の両方で提携していくことを発表した。
このパートナーシップにより、マクラーレンの顧客はかつてF1 GTRなどがその身にまとったブルーとオレンジで示される伝統の“ガルフカラー”に彩られたマクラーレンのオープンシーターをオーダーすることが可能となる。
「マクラーレン・エルバ・ガルフテーマ・バイ・MSOは、マクラーレンのスポーツカーレースにおける歴史と、ガルフオイルとの新しいパートナーシップへの祝福を印象付けるものだ」と語るのは、マクラーレン・スペシャル・オペレーションズのマネージングディレクターを務めるアンサー・アリ。
「MSOは“art of the possible”における可能性の領域を広げることに取り組んでおり、こうしたプロジェクトはお客様にご提供可能なパーソナライゼーション・オプションの範囲がますます広がっていることを示している」
「今回は、ガルフ・ブランドのロゴをデザインに組み込むことで、由緒正しいカラーリングであることを強調した」
エルバのデリバリーは2020年内から開始される。MSOでは、すでに限定149台の最初の車両の仕様を完成させているといい、さらにドラマチックな塗装や装飾を施すために顧客との打ち合わせを行っているという。