バルテリ・ボッタス(メルセデス)のタイトル獲得の望みは、ニュルブルクリンクで開催された2020年F1第11戦アイフェルGPで大きな打撃を受けた。しかしボッタスは信念を持ち続け、ベストなときにはチームメイトのルイス・ハミルトンより自分が優れていると確信している。
ボッタスはMGU-HのトラブルのためにアイフェルGPでリタイアを余儀なくされた。このボッタスの後退によって、ハミルトンはドライバーズ選手権でのリードを69ポイントにまで広げた。
ロシアでの勝利とニュルブルクリンクでのポールポジション獲得によって、再びボッタスがメルセデスにおけるハミルトンの優位に挑む可能性はあるかに見えたが、それは早いうちに失われた。ミスというよりは信頼性の問題があったからだが、ボッタスにしてはミスが多すぎた。
アイフェルGPでの期待外れの結果についての話の後、無敵のチームメイトよりも自分が優れていると感じるか尋ねられたボッタスは、自分の信念について熱心に語った。
「もちろんそうだと信じなければいけない」とボッタスはSky F1に語った。
「自分がベストのときは彼(ハミルトン)より優れていると信じている。でも明らかに彼の方が優れているときがあった。それは間違いない。彼のチームメイトだったこの数年を通して、全体的に彼はより優れていた」
ボッタスは自分に自信を持っているものの、レース当日にハミルトンを一貫して上回ろうという努力が十分ではないことが度々あった。ハミルトンがボッタスを寄せ付けないでいることに成功しているのは明らかだ。
ボッタスは永遠にハミルトンの理想的なサポート役であり続ける運命にあるのだろうか?
「僕は政治には関わらない。僕はただドライビングとレースを愛している」とボッタスは語った。
「公平だけど激しいレースが好きで、それが僕のやっていることだ。僕は常にそうしてレースをしてきたし、これからもそうする」
「特にこれまでの年と比べると、自分のパフォーマンスにはとても満足している。僕のレースペースはとても速くなっているから、パフォーマンスを発揮できていると思う」
「細かいところでそれをうまくやって、自分のやり方で物事を進めていくことが大事なんだ。全体的なパフォーマンスはかなりポジティブなものになっている」
メルセデスのガレージの反対側で、唯一ハミルトンをタイトル争いで敗北させた男であるニコ・ロズベルグは、日曜日のレーススタート時に1コーナーでハミルトンとバトルをしたときのボッタスを気に入っている。
しかしながら、2016年のF1世界王者であるロズベルグは、いまだにボッタスはよりハードな作業が必要で、より懸命に取り組む必要があると主張している。
「ルイス(ハミルトン)は1コーナーに進入するところで前に出ていた。そしてバルテリ(ボッタス)が、アウト側からぴったりついていく素晴らしい仕事をしてみせた。コースを外れたときでさえ、断固としてポジションを奪い返すという素晴らしい仕事をした」とロズベルグは語った。
「あれはすごいドライビングだった。僕は現役時代ルイスと6回くらいおなじように争ったが、いつも負けていた。つまり、ルイスのアウト側を回るようなことはできないということだよ」
「それから数周後にバルテリがあのミス(1コーナーでブレーキロックによるオーバーシュート)をしてしまい、ハミルトンに対抗できなくなった。完璧にやり続けなければならないんだ」
「ボッタスは進歩する必要がある。彼はルイスに十分に挑戦できていないよ」