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サーカスの調教師がクマに襲われ死亡 感染予防のマスク着用姿にクマが混乱か?(露)

2020年10月19日 17:12  Techinsight Japan

Techinsight Japan

サーカスで活躍していたクマと調教師(画像は『LADbible 2020年10月17日付「Circus Trainer Killed By Bear After He ‘Forgot To Take Off’ Coronavirus Mask」(Credit: East2West News)』のスクリーンショット)
このほどロシアのサーカス団で、調教師の男性がクマに襲われ死亡するという事故が起きた。事故当時の男性はマスクを着用しており、クマが男性の顔を認識できなかったことが原因ではないかとみられている。『LADbible』『The Sun』などが伝えた。

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今月初旬、ロシアの「グレート・モスクワ・ステート・サーカス」で調教師を志していたバレンティン・ブリッチさん(Valentin Bulich、28)が飼育しているクマの“ヤシャ(Yasha)”に襲われて亡くなった。

他のスタッフの話によると、バレンティンさんは自らヤシャの檻に入り、ヤシャが逃げ出すのを防ぐため内側から鍵をかけたそうだ。そしてヤシャに背中を向けたところ、襲われたという。

事故に気付いた周囲のスタッフによってすぐさま檻から救出されたバレンティンさんだったが、その頭皮は引き裂かれ、身体にもひっかき傷を負っていたようだ。バレンティンさんは搬送先の病院でそのまま死亡が確認された。

事故当初は、クマの調教師になることを夢見ていたバレンティンさんが「自らの調教訓練のために檻に入った」と伝えられていたが、実際には定期的な清掃業務のために入ったことが分かっている。

サーカス関係者は地元の報道機関『BAZA Media』に対し、事故当時の様子をこのように語った。

「ヤシャはバレンティンのことをよく知っていました。何が起こったかって? 彼は新型肺炎の感染防止のため付けていたマスクを取り外すのを忘れたまま檻に入ってしまったのです。」

「そのためヤシャはバレンティンだと気づかなかったのでしょう。彼がヤシャに背を向けた瞬間に襲われてしまいました。」

「すべてがいつも通りの作業風景でした。彼は檻に入って、鍵をかけ、そしてマスクをしたまま振り返ったんです。」

この死亡事故により当時の状況やサーカスの安全管理などの調査が行われたが、1人でクマの檻に入ることは安全規約に違反する一方で、実際にはサーカスにて当たり前に行われていたという。


サーカスに長く勤めるタチアナ・ザパシュナヤさん(Tatyana Zapashnaya)は、今回の事故についてこのように話している。

「私たちもかなり困惑しています。すべてが一瞬で、予期せぬうちに起こってしまったんです。」

「これは私たちが真剣に考えなければならない問題です。今回の出来事を我々は重く受け止めています。」

事故を起こしたヤシャはサーカス内外でパフォーマンスを行っており、その中には人とかなり近い距離で行われているものもあったという。この8月にはモスクワのサッカーチームの元へ激励に訪れていた。

動物愛護団体「VITA」のイリーナ・ノボジロワさん(Irina Novozhilova)は、動物を調教しパフォーマンスを強いるサーカスは動物愛護に反するとして「サーカスは人道的に許されるものではない」と以下のように非難している。

「訓練とは残酷へと綿密につながっていくものです。サーカスの残酷さは限度を超えています。サーカスに動物を使うことは禁止されるべきなのです。」

いくら訓練を積んでいようと、相手にしているのは獰猛な動物であることを忘れてはならないようだ。過去にはショーに出演中のライオンが観客の4歳児を襲ったり、おなじくライオンが遠足に来ていた児童の目の前で教師を襲ったりするなどサーカスでの事故が複数起こっていた。

画像は『LADbible 2020年10月17日付「Circus Trainer Killed By Bear After He ‘Forgot To Take Off’ Coronavirus Mask」(Credit: East2West News)』『The Sun 2020年10月16日付「FATAL MISTAKE Circus trainer mauled to death by a bear which tore off his scalp ‘because he forgot to take off his Covid face mask’」(Credit: OK.ru)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)