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「シュープ」東京初のショーでパンデミック後のディストピアを表現、東コレフィジカルショーのトリ飾る

2020年10月17日 23:02  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

小松菜奈 Image by: FASHIONSNAP.COM
デザイナー大木葉平が手掛ける「シュープ(SHOOP)」が10月17日、2021年春夏コレクションをランウェイ形式で発表した。10月12日からスタートした「Rakuten Fashion Week TOKYO 2021 S/S」のフィジカルショーのトリを飾った。

 シュープは東京とマドリードを拠点にミリアン・サンス(Miriam Sanz)と大木葉平によって2015年春夏シーズンに立ち上げられたユニセックスブランド。デザイナーの身近にあるカルチャーや音楽をインスピレーション源にコレクションを展開している。2018年秋冬シーズンから「ナイキ(NIKE)」のサポートを受け、メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク マドリード(Mercedes Benz Fashion Week Madrid)でコレクションを発表。2020年に「TOKYO FASHION AWARD」を受賞し、2021年春夏シーズンはデジタルプラットフォームで開催されたロンドンファッションウィークに参加した。
 今シーズンは、パンデミックによって文明が滅びたディストピアからインスプレーションを得てコレクションを構成。ショーではDJのSeiho(セイホー)とパーカッション奏者の角銅真実によるスペシャルユニットがディストピアをイメージした音楽をライブ形式で披露し、避難していた人達がパンデミック後に初めて世界を見るという設定でモデルたちはランウェイを歩いた。
 コレクションでは、機能的で耐久性のある服と、トリコットなどの肌が露出したアイテムを中心に、サステナブルの観点からブランドでストックしていた生地をパッチワークで再利用したアイテムなどを展開。一部のアイテムには人と人の繋がりを表現した手形や、「Faith,Hope,Love」などのメッセージ、ジャズミュージシャン ルイ・アームストロングの「What A Wonderful World」の歌詞を引用したグラフィックを施した。シューズでは「アシックス(ASICS)」とのコラボレーションによる「ゲルニンバス 22(GEL-NIMBUS 22)」をフィジカルショーで初披露。また、「ファイナルホーム(FINAL HOME)」の元デザイナーでSDADIO名義で活動する須田伸一とのコラボアイテムも発表。オーガンジーの裏地が顔のプロテクターにもなるモッズコートや、胸に安全ピンをあしらい、取り外し可能なマスクが付属するシャツ、防災頭巾から着想して頭に被るとマスクになるトートバッグなど「美しくサバイブする」をコンセプトに掲げたアイテムを披露した。
 大木は、先シーズンのロンドンのデジタルファッションウィークを「ブランドのファンには伝えられたが、広がりを感じにくかった」と振り返り、東京での初のショーについて「海外よりスムーズに進められた。やっと発表できて嬉しい」と安堵の表情を浮かべた。
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