公共の場での喫煙が規制されるなど、喫煙者には何かと肩身の狭い今日この頃。恋人に「タバコと私どっちが大事?」などと聞かれたら、きっとうんざりしてしまうだろう。お悩み解決掲示板に10月中旬、交際1年7か月の彼氏とタバコのことで言い合いになったというスレッドが立った。スレ主は36歳の女性でお互いバツイチどうし、同年齢で結婚を前提に付き合っているという。
彼氏は、タバコがないと生きていけないというくらいのヘビースモーカーだが、彼女は一切吸わず「臭いもダメ」とのこと。 先日、タバコを吸い出した彼に冗談半分で「私とタバコどっち選ぶん?」と聞いたところ、彼氏は少し黙って考えて、
「どっちかなんて決めれんし、どっちも!」
と答えたという。(文:okei)
「嗜好品と自分を比べて勝手にキレるとはめんどくさい」
当たり前に自分が選ばれると思っていたスレ主は「え?」と驚き、ムキになって
「どういう事?私はタバコと同等なん?タバコに負けたって事?」
と詰め寄った。しかし彼氏からは「そもそも、そういう質問自体おかしいじゃん!人と物じゃん!」と反論され、喧嘩になってしまったという。
タバコはストレス発散だという彼の言い分が理解できないスレ主は、「タバコって、そんなに有り得ないくらい凄い物なんですか?」と問いかけ、落胆していた。恐らく「タバコ嫌いの私の前で当たり前のように吸うなんて……」という不満も、長い間たまっていただろう。
スレッドの返信コメントは、「愚問ですね」など、彼女に対して説教する厳しい声が相次いだ。
「主さんは彼と空気どっちが大事?空気は無いと死ぬけど、それでも人を選ぶ?比べる対象が違うでしょって思うよね?それと同じだよ」
「嗜好品と自分を比べて勝手にキレるとはめんどくさいですね。そんなにタバコが嫌いなら別れたら?」
また、タバコの害は喫煙者も分かっている、やめさせたいなら他に言い方があった、「高校生の恋じゃあるまいし」「大人げない」という批判が多数入っている。
中には、喫煙者ではないが飲酒とゲーム課金をやめろと言われたらイヤだし、自発的に辞めるならともかく「欲求を無理やり押さえ込まれるのは無理だなあ」と感想を漏らす人も。「それは選択を迫っているのではなく、単にそれを諦めろと言っているに過ぎない」と指摘し、汚いやり方だと責める人までいた。
煙草を吸う男と好き好んで付き合っているのは自分
一方でスレッドには、「いやいや薬物中毒と一緒です」、「看護師に注意されてごねる人もいた。命よりタバコなんですね」など、単なる嗜好品と一緒にもできないという指摘もあった。健康への悪影響は誰でも知っているが、それでもやめられない中、無理やり「彼女かタバコか選べ」と言われても困るだけだろう。もしかすると、結婚したい気持ちすら薄れてしまったかも知れない。
ジェーン・スーさんのエッセイ『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)には、彼氏の不摂生を責め、母親のように野菜を食べるよう諭すことが、プロポーズされない理由42として挙がっている。
「そもそも、野菜を食べない男、煙草を吸う男、酒を浴びるように飲む男と、好き好んで付き合っているのは自分です。ならば、男の嗜好を尊重するのが先なのです」
この場合、「あなたの健康が大事!などと押し付けるな」という話なので、「私のほうが大事と言ってほしい」スレ主とは微妙に異なる。だが、相手の嗜好を尊重しない姿勢は共通しており、それは関係を危うくする危険な行為だと分かる。36歳ともなれば立派な大人、交際相手への発言にはよくよく注意したほうがいいだろう。