トップへ

「ケロリン桶は食器ではありません」メーカーが注意喚起 インスタ映え、飲食店で人気に

2020年10月15日 14:11  弁護士ドットコム

弁護士ドットコム

記事画像

「ケロリン桶」を食器に使わないで——。解熱鎮痛剤「ケロリン」を販売する製薬メーカー「富山めぐみ製薬」(富山県富山市)が10月はじめ、HPでこんな注意喚起をおこなった。


【関連記事:私の婚約者を奪った「妹」が妊娠、結婚式の招待が来た・・・妹と「絶縁」できる?】



銭湯や温泉でおなじみの「ケロリン桶」。近年、飲食店で「ケロリン桶」に入れたお酒をシェアして飲むのが人気となり、インスタグラムでも「念願のケロリン桶」「映える容器」と話題になっていた。



しかし、「ケロリン桶」は食品衛生法上の食器ではない。食器として安全性を確認するための試験などをおこなっていないため、同社は飲食店に使用を取りやめるように呼びかけてきた。



同社の担当者は「薬品メーカーとして安全は第一。見栄えで盛り上がるからというので、目的外使用をするのは避けて欲しい」と話している。



●「ケロリン桶」にレモンサワー

富山めぐみ製薬によると、「ケロリン桶」は東京オリンピックの前年である1963年、営業スタッフから「湯桶にケロリンの広告を出しませんか」と持ちかけられたのがきっかけ。



湯桶が木からプラスチックに切り替えられるのと同時に、「ケロリン桶」は全国の銭湯へと広がっていった。最近はTVアニメとのコラボ商品などが人気で、今も年4~5万個のペースで納入されている。



飲食店での「ケロリン桶」使用が確認されたのは2018年ごろ。とある店が「ケロリン桶」にレモンサワーを入れ、ひしゃくですくう形で提供を始めた。見た目のインパクトもあり、「インスタグラムで映える」と大流行。「成功事例」として、飲食店紹介サイトや卸から営業された飲食店もあったという。



同社は2019年ごろから、飲食店30社40~50店舗、飲食店紹介サイト複数社に使用やサイトでの記載を取りやめるよう連絡。「売り上げが下がる」と拒まれたり、辞めるまで時間がかかったりしたケースもあった。現在も使用を続けている店があるという。



担当者は「薬と同じで、用法用量を守って使っていただくのが一番。物には作られた理由と由来があるので、使い方を守ってほしいです」と呼びかけている。