帝国データバンクは10月14日、2020年度上半期における飲食店事業者の倒産が392件発生し、上半期としては過去最多を更新したと発表した。同社が4~9月の飲食店事業者の倒産動向を集計、分析したことで分かった。
半期としては、19年度下半期(409件)に次ぐ2番目の多さ。通年の過去最多は、同じく19年度の784件だが、同社は「このままのペースで倒産が発生すると、 2020 年度も過去最多を更新する可能性がある」と推測している。
Go To イート始まるも「抜本的な問題解決に至る蓋然性は低い」
業態別に内訳をみると、居酒屋やビヤホールのほか、焼き鳥店、おでん店、もつ焼き店などを含む「酒場・ビヤホール」が98件(構成比25.0%)で最多。次いで、ラーメン店、カレー店などを含む「中華・東洋料理店」の55件(同14.0%)などが続く。
このほか、上位には「西洋料理店」(54件、同13.8%)、「日本料理店」(40件、同10.2%)、「一般食堂」(34件、同8.7%)などが挙がっていた。
他方、負債額別にみると、「5000万円未満」の小規模倒産が312件(同79.6%)で、8割を下回った。通年でみると、2015年度以降5年連続で「5000万円未満」が8割超を占めている。一方、12年度以降は「50億円超」の大型倒産は発生していない。
同社によると、12日までに新型コロナウイルス関連の倒産は602件発生。内訳は、飲食店の86件が最多を占めた。感染拡大に伴う影響は、下半期においても引き続き、飲食業界に波及していく恐れがある。
こうした影響を緩和すべく、政府は金融緩和策のほか、飲食店支援策「Go Toイート」キャンペーンなどを進めている。だが、同社は「インバウンド消失など多大な影響がある中で、抜本的な問題解決に至る蓋然性は低いとみられる」とみているようだ。