2020年10月12日 16:22 弁護士ドットコム
派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして、強制性交の罪に問われ、一審東京地裁で懲役5年の判決を受けた俳優の新井浩文被告人の控訴審初公判が10月12日、東京高裁(細田啓介裁判長)であった。
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新井被告人は出廷しなかった。控訴審は結審し、判決は11月17日に言い渡される。
弁護側は「新井被告人は性交について女性の合意があると誤信していて、強制性交等罪(刑法177条)の要件である『暴行』に当たるという認識が欠けていた」と主張。「裁判所は個別具体的な事情に踏み込んで考察しておらず、女性の状況をつぶさに見れば、抵抗を著しく困難にさせる程度の暴行とは評価できない」とした。
検察側は控訴棄却を求めた。
また、弁護側は、女性との間で慰謝料支払いを含む和解が成立したと明らかにした。
1審の意見陳述書で女性は、新井被告人の弁護人を通じて示談金1000万円や2000万円の示談の申し入れがあったが、「新井被告人が一部否認しているという報道もある中で、許す気になれずに断った」といい、示談に応じていなかった。
女性の代理人によると、1審判決後に裁判外で和解した。慰謝料額については明らかにしなかった。
一審判決によると、新井被告人は2018年7月1日未明、アロマエステなどを目的とする出張型マッサージ店で勤務するセラピストの女性に、自宅で乱暴した。
一審判決では強制性交等罪が成立するとした上で、「経緯や動機に酌むべき点はなく、厳しい非難に値する」として、求刑通り懲役5年の実刑判決を言い渡した。弁護側は判決を不服として控訴していた。