トップへ

「コロナ一家」と掲示板にデマ書き込まれ…「誹謗中傷ホットライン」に2カ月で相談500件

2020年10月12日 10:01  弁護士ドットコム

弁護士ドットコム

記事画像

ネットの誹謗中傷を被害者に代わって削除要請する「誹謗中傷ホットライン」。インターネット関連企業でつくる「セーファーインターネット協会」(SIA)が6月29日に開設したもので、運用開始から約2か月で相談件数は498件(相談者数277人)、うち削除件数は34件となった。


【関連記事:「流産しろ」川崎希さん、ネット中傷に「発信者情報開示請求」 追い詰められる投稿主】



プロレスラーの木村花さんが誹謗中傷に悩まされ亡くなったことを受け、立場の弱い個人を対象に相談を受け付けている。利用者からは「相談してみて気が楽になった」「削除してもらって助かった」という声が寄せられているという。



●実家に帰省、「こういうやつがコロナを撒き散らす」と誹謗中傷

ホットラインに寄せられた相談は、なりすまし被害、デマの書き込みなど多岐にわたる。



「実名SNSで掲載していた自分の写真を悪用され、別のSNSでなりすましのアカウントを作られた。プロフィールに侮辱するような内容を書かれた」



「過去に一般人としてテレビに出演したことがきっかけで、水商売をしていた経歴を暴かれ、容姿を侮辱される投稿をされた」



こうした誹謗中傷に関する相談を受け、SIAが被害者に代わって国内外のプロバイダの利用規約に基づき削除依頼の申請をする。



中には、新型コロナウイルスに関して、「SNSで帰省について投稿したら、匿名掲示板に本名や顔写真を投稿され、『不潔なやつ』『こういうやつがコロナを撒き散らす』などの誹謗中傷を書き込まれた」「地域掲示板に自分の名前でスレッドを作られ、『コロナ一家』とウソを書き込まれた」といった相談も寄せられた。



SIAのホットラインでは、個人が特定可能な書き込みで、公共性・公益性がなく、社会的評価が低下させられるものや侮辱的な表現について、削除対象としている。



もっとも多く寄せられた相談は、ゲームのアカウントやSNSアカウント、掲示板のハンドルネームに対しての誹謗中傷だったが、アカウントやハンドルネームだけでは個人を特定することができないため、現在は対象外としている。今後は外部の専門家等と相談しつつ今後も継続的に見直しを図っていく。





また、相談件数のうち約2割は「公共公益目的でないことが明らかでないとはいえない」「社会的評価が低下する内容や侮辱的な内容とはいえない」だとして、削除要請するに当たらないと判断している。



たとえば、「とあるテレビ番組で、専門家としてコメントしたが、番組を見た視聴者や他の専門家からSNSで『説明が間違っている』『デタラメだ』などと言われた」といったものは、番組内の発言に対する正当な論評であって「公共公益目的でないことが明らかとはいえない」と判断した。



SIAの担当者は「サイトの中には、本人や法的代理人からの申請のみを受け付けているところもある。そうした場合も、申告の仕方や窓口を案内するので、気軽に相談してほしい」と話している。



相談は無料で、原則本人またはその保護者から受け付けている。誹謗中傷ホットラインへの相談は下記のURLから受け付けている。(https://www.saferinternet.or.jp/bullying/)