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タンポンを5日間入れっぱなしにした女性 感染症で瀕死の状態に(英)

2020年10月12日 06:51  Techinsight Japan

Techinsight Japan

タンポンを入れたまま放置し入院した女性(画像は『Daily Star 2020年10月10日付「Mum nearly dies after five day old tampon turns black and causes blood poisoning」(Image: HotSpot Media)』のスクリーンショット)
イギリス在住の24歳の女性が昨年6月、タンポンを5日間も入れたままにしたことで「トキシックショック症候群(TSS)」を発症し死の淵を彷徨った。事故から1年以上を経て女性は『Daily Star』『Mirror』などのインタビューに応じ、タンポン使用の危険性について注意喚起した。

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英エセックス、バジルドン在住の1児の母エイミー・ウィリアムズさん(Amy Williams、24)は昨年6月、パートナーのサミュエル・マレンさん(Samuel Mullen、30)と仕事の後に外出し、つい飲み過ぎてしまった。エイミーさんはその日生理中で、タンポンを取り替えようとトイレに行ったのだが、この時のうっかりした行動が後に感染症につながるとは思いもしなかった。

エイミーさんは、当時のことをこう振り返る。

「実はあまりにも飲み過ぎて、タンポンを入れていたかどうかさえ思い出せなかったの。しかもタンポンを取り出す紐を見つけることができず、『今日はタンポンを入れてこなかった』と思い込んでしまったのね。それでまだ1本入っているのに、もう1本新しいタンポンを入れたのよ。」


なんと「タンポン2本を入れたまま気づかなかった」というエイミーさんだが、その後も2本目のタンポンだけを交換し続けて5日目、女性器周辺から異臭がするのに気付いた。エイミーさんはその臭いについて、このように明かした。

「まるで死臭か、何かが腐ったような異様な臭いがしてね。シャワーを浴びてみたんだけど、臭いが取れなかったの。それで股の間をじっくりと見てみたら、タンポンが入っていたのよ!」

「その後、爪を入れてタンポンを取り出そうとしたんだけど、中で癒着してしまったかのように脇に押しやられていて。結局取り出すのに30分もかかって、あまりの痛みに失神するかと思ったほどよ。しかもタンポンは真っ黒! 本当にゾッとしたわ。」

こうしてタンポンを取り出した後に出勤したエイミーさんだが、オフィスで腹痛と吐き気に襲われ、そのうち40度の高熱が出て嘔吐が始まった。同僚はその時の様子を「瀕死の状態だった」と語っており、エイミーさんは病院に緊急搬送されると抗生剤の点滴と血液検査を受けた。

その結果、エイミーさんは体内で炎症反応などが起きている時に血中に現れる「C反応性蛋白」の数値が非常に高く、多臓器不全を起こし始めていることが判明し「トキシックショック症候群(TSS)」と診断された。TSSはバクテリアの黄色ブドウ球菌、または化膿レンサ球菌によって起こる急性疾患で、稀に死に至ることもある。

エイミーさんはその後、意識が混濁した状態が4日間続いたものの、何とか山を越えて1週間で退院。その後は10日間の自宅療養となった。

エイミーさんは医師に「あのタイミングで病院に来なかったら、命はなかった。また今後の妊娠は難しいかもしれない」と言われたそうで、自分の恐ろしい経験について次のように振り返った。

「タンポンを入れたまま忘れてしまうなんて信じられないでしょうけど、私はタンポンにあやうく殺されるところだったの。これまで10年もタンポンを使ってきたけど、もう二度と使うことはないでしょうね。」

「退院後は生理の量が増え、かなり不規則になってしまったわ。ただ私が幸運だったのは命が助かったこと、そして第2子を妊娠することができたことよ。」

「タンポンは便利だけど、使い方を間違えると命にかかわるの。私の経験を1人でも多くの人に知ってもらって、タンポンの使用には慎重になってもらえると嬉しいわ。」

ちなみに2017年にはカナダで、学校の旅行中にタンポンの長時間使用で16歳少女が死亡していた。米ニューヨーク州のニュー・ホープ不妊治療センターのザヒアー・メリ医師(Zaher Merhi)は「TSSを防ぐにはタンポンは4~6時間毎に取り換えて、8時間以上入れっぱなしにするのは避けましょう」と述べている。

画像は『Daily Star 2020年10月10日付「Mum nearly dies after five day old tampon turns black and causes blood poisoning」(Image: HotSpot Media)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)