トップへ

国内景気、10業界中9業界に持ち直しの動き 業種によっては温度差も

2020年10月09日 15:00  キャリコネニュース

キャリコネニュース

写真

帝国データバンクは10月8日、9月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表した。調査は9月にネット上で実施し、1万1689社から回答を得た。

9月の景気DIは4か月連続でプラスの31.6だった。前月比1.9ポイント増となっている。

今後の景気予想「横ばい傾向が続くと見込まれる」


9月の国内景気は、堅調な公共工事や連休中の外出増、緩やかに上向いた設備投資意欲などがプラス要因になった。自宅内消費の拡大やリモートワークの広がりによる住宅ニーズの高まりなどもみられた。また、5G(第5世代移動通信システム)やインターネット接続に伴う電気通信工事も活発になった。

他方、新型コロナウイルスの影響が続く中、景況感の持ち直しは業種により温度差がみられる。業界業種別にみると、10業界中9業界、および51業種中45業種で前月からプラスになった。一方で「サービス」(33.9、前月比2.1ポイント増)や「建設」(40.4、同2.0ポイント増)などでは、業種により回復速度に差がみられた。

地域別では「南関東」(32.3、同1.9ポイント増)や「東海」(30.3、同2.6ポイント増)など2か月ぶりに全10地域でプラスになった。各地域の主力産業の持ち直しが域内経済を押し上げたほか、テレワークなど働き方の変化により都市周辺における郊外エリアの景況感にプラス要因になった。

今後1年の国内景気は、新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動再開のバランスが一段と重要性を増していくとみられる。"新しい生活様式"に対応した需要創出のほか、外食や旅行、レジャー関連などへの支出の持ち直しが期待される。また、挽回生産や自国生産の拡大による設備投資などのプラス要因になり得る。

他方、新型コロナウイルスなどの感染状況次第では、消費者マインドの後退や雇用・所得環境の悪化、政府による活動自粛再要請などが懸念される。また、新政権の政策や海外経済の回復状況も注視する必要があることなどから、同社は「今後の景気は、良化・悪化要因を抱えながら、横ばい傾向が続くと見込まれる」としている。