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アディダスがアスリートのデータを基に糸を配置する新アッパー開発、2022年に一般発売へ

2020年10月08日 22:12  Fashionsnap.com

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「アディダス(adidas)」が、イノベーションの可能性を探求するプロジェクト「フューチャークラフト(FUTURECRAFT)」から、テキスタイル技術ストラング(STRUNG)を用いたシューズ「フューチャークラフト ストラング(FUTURECRAFT.STRUNG)」を発表した。現段階では量産体制は整っておらず、2022年の一般発売を目指す。

 フューチャークラフトプロジェクトではこれまで、2018年に光と酸素を用いて作られたミッドソール「フォーディー(4D)」や、2019年に100%リサイクル可能なランニングシューズ「フューチャークラフト.ループ(FUTURECRAFT.LOOP)」を発表してきた。今回発表したフューチャークラフト ストラングは、製作期間に4年かけたというテキスタイル技術ストラングを初めて採用。フォーディーと同様に、「より少ない素材でパフォーマンスを向上させるシューズを製作する」という考えからアスリートと共同で開発し、一本一本の糸をアスリートのデータを活用したマッピングによって配置した。
 ストラングではアディダス独自のアスリートインテリジェンスエンジンを用いて、走り方などランナーそれぞれのパフォーマンスのデータを分析。負荷のかかる箇所の補強や、足の運動のサポートといった微調整を行うことができ、ランナーそれぞれに合わせたシューズが製作できる。また、足の解剖学に基づいて数千本の高精度な糸を組み合わせることで高い屈曲性と柔軟性、通気性、快適性を発揮する。フューチャークラフト ストラングはミッドソールにフォーディーを採用したことで、より素材や層の無駄を省き、サステナブルな製造方法を可能にした。
 フューチャークラフトを手掛けるアディダスのフューチャーチームによると同シューズは「まだ学習中で実験段階」だといい、顧客一人一人へのカスタマイズもシステム上可能だそうだが、まずは量産体制を整えることに注力するという。
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