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YURiKAと大原ゆい子が語る『リトルウィッチアカデミア』VRゲーム主題歌と作品への想い

2020年10月06日 17:01  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
●“実家”のような存在**――それが『リトルウィッチアカデミア』
2013年と2015年に劇場公開され、2017年にはTVシリーズが放送されたアニメ『リトルウィッチアカデミア』。

10月13日には新作VRゲーム『リトルウィッチアカデミアVR ほうき星に願いを』の発売が予定されており、その主題歌「Dream Flight」も10月9日に配信リリースされることが決定している。今回は主題歌を歌うYURiKAと、作詞・作曲を手掛けた大原ゆい子の対談を実施。TVシリーズでOP・EDテーマを歌ったふたりがタッグを組んだ形となる「Dream Flight」や、『リトルウィッチアカデミア』という作品への想いに迫る。

○●意外にも、音源化は初! タッグを組んだふたりの想いとは

――まずは『リトルウィッチアカデミア』という作品が、今のおふたりにとってどんな存在なのかからお聞きしたいのですが。

YURiKA 私もゆい子さんもこの作品でメジャーデビューしたんですけど、私個人はアニソンシンガーをずっと目指してきたなかで、最後にしようと決め考えたオーディションを経てのデビューだったんです。何年経っても隣にいるというか……一生添い遂げていくんだろうな、という存在です。

――一緒に歩んでいく存在でもあるし、自然とそばにいる存在。

YURiKA そうですね。帰ってくる場所というか、実家みたいな感じがします。

大原 その“実家”というたとえは、私もすごくしっくりきますね。私も、映画やアニメを通じてたくさんの人に自分の歌を聴いてもらう機会を与えてもらった作品なので、“魔法にかけられてる”じゃないですけど自分を飛ばせてくれたように感じていて。みんなの、そして私の『リトルウィッチアカデミア』……みたいなイメージがあります。

――その作品が、今回はVRゲーム化されます。

YURiKA しかもホウキレースって、すごくいいですよね!

大原 うん。「VRでまたアッコ(※主人公:アツコ・カガリ)たちに会えるんだね」みたいな話で、ふたりですごく盛り上がったんですけど……アッコ、飛べるのかな?(笑)。

YURiKA あはは(笑)。それにしても、VRだとキャラクターと横並びになって一緒にいられるわけですから……なんだか夢みたいですよね。

大原 しかも、新しい技術を使ってまだまだ『リトルウィッチアカデミア』を盛り上げていきたいと思ってくださるっていうのが嬉しいよね。

――すぐ隣を、アッコが飛んでいたりするわけですよね。

YURiKA ヤバいですよね! でも、なんか投げてきそう(笑)。

大原 梅干しとか、シュッって飛んできたりして(笑)。

――その主題歌「Dream Flight」は、TVシリーズでOP・EDテーマを歌われたおふたりのタッグによって生まれました。

YURiKA ゲームを作っているUNIVRSさんが、すごく熱望してくださっていたらしいんですよね?

大原 うん。YURiKAちゃんとはツーマンライブをやらせていただいたり、同じ作品のOP・EDを務めたりと一緒に活動することが多かったんです。何より『リトルウィッチアカデミア』でYURiKAちゃんに曲を書かせてもらえるということがめちゃくちゃ嬉しくて。形として世に出るのは初めてだっけ?

YURiKA そうですね。ライブ限定でその日限りの歌をゆい子さんが作ってくれて、それをふたりで歌ったことはありましたけど。私は、元々映画から始まった『リトルウィッチアカデミア』という作品が、TVシリーズの放送が終わってもまだまだ続いていくこと自体がまず嬉しくて。そんなゲームの主題歌を歌わせていただくということにプラスして、曲を通じてゆい子さんのこの作品への想いを託してもらえるということにも、すごく嬉しさを感じました。

――託されたものをリスナーへと届けるという役目の中での、嬉しさと責任感みたいなものが両方あった。

YURiKA はい。元々私は自分で曲を書くことが少ないので、普段から作詞・作曲や編曲してくれた人、演奏してくれる人たちの代表みたいな感じでいるんですけど、今回はそういう想いが特に強くて。「『Dream Flight』の代表です!」みたいな気持ちでいます。
○●ホウキレースという主題を反映した、“一緒に飛ぶ”感覚の強い曲に

――曲作りにあたって、大原さんが最初にテーマにしたものはなんでしたか?

大原 UNIVRSさんが「YURiKAちゃんが歌っていたTVシリーズのOPテーマの感じがすごく好き」とおっしゃってくださいまして。そのイメージを受け継ぐような、パッと「あ、始まった!」と感じるようなイメージの曲が欲しいというお話があったんです。私も絶対そういう曲のほうがファンの方も嬉しいだろうなと思っていたので、「自分なりの、YURiKAちゃんが歌う『リトルウィッチアカデミア』の幕開けになる曲を書こう」という気持ちでした。

――特にこだわられたポイントは?

大原 「私には歌えないけどYURiKAちゃんだったら絶対歌えるだろう。これ、聴きたい!」というメロディを目指したところです。ただ「一緒に飛ぶゲーム」というイメージ通り本当に飛んでいっちゃいそうなメロディになったので、かなり勾配があって……でもまぁ、YURiKAちゃんは歌えるんですけど(笑)。

YURiKA あはは(笑)。たしかに、ジェットコースターみたいなメロディなんですよね。サビでは一気に上がるんですけど、逆にAメロとか序盤の部分には低い音があったりするから。でもひっちゃかめっちゃかのようで、でもすごくきれいにまとまっているので、まさにホウキレースみたいな曲なんです! 逆にサビの「隔てるもの一つ無い」のフレーズのあたりでは、ゆい子さんっぽさも感じました。

大原 やっぱりどうしても、自分の色が出ちゃうんです(笑)。

YURiKA でも、それもすごく嬉しいんですよ。ゲームではアッコたちキャラクターと一緒に飛べるわけですけど、それと同じように歌いながら「私、ゆい子さんと歌ってるな」みたいにも感じられるから。

大原 嬉しい……!

YURiKA 歌詞もゲームのアッコに寄り添っている部分もあると思うんですけど、私がゆい子さんに言ってもらっているような気もしたんですよね。ただ元気で明るいだけじゃなくて、落ち込んでいるとか、そういういろいろなことをひっくるめたうえで「でも飛ぶんだ!」みたいな気持ちが歌詞にも込められているように感じたので、それを歌声で伝えられていたら嬉しいです。

●仕掛けも満載!? 作品ファン納得必至の自信作が完成
○●レコーディングでは、明るさと突き抜ける感じを大事に

――その他にも、歌うなかで特にこだわれた部分はありましたか?

YURiKA あまり考えすぎないようにはしたんですけど、テンション感みたいなものは気にしていました。というのも、直前のリリースが『BEASTARS』のちょっとダークめな曲だったのもあって、最初は妙に大人っぽくなりすぎちゃったんです。なので、意識的に明るい歌声の引き出しを使うようにしていきました。

――細かい部分になるのですが、1サビ最初のフレーズ「夢見た世界」がとても印象的で。「ゆ」での力の込め具合が、ブレイクが生む発進感をさらに膨らませているように感じました。

大原 わかります。

YURiKA ありがとうございます。その「ゆ」の音がサビではいちばん低いんですけど、低い音だとどうしても歌声が暗くなっちゃいがちなんです。なので今回は「ゆ」を助走というか、溜めになる一音にできるように意識しまして。直後の「めみた」で突き抜けられるようにするというのは、自分でもすごく頑張ったところだと思っています。

――レコーディングには、大原さんもいらっしゃったんでしょうか?

大原 はい。私、「Shiny Ray」がすごく好きで。明るくてOPテーマらしい曲なのに、YURiKAちゃんの声質もあってなのか切なくも聴こえるんですけど、それと似た“明るいけど泣きの部分”みたいなものをこの曲のレコーディングでも感じたんですよ。その歌声から、私が歌詞に込めた気持ちや編曲してくださった吉田穣さんの意図をすごく汲み取ってくれていたように感じられて。「早くたくさんの方に聴いてほしい!」という気持ちになりました。

――その吉田さんの編曲で、曲のイメージは結構変わったんでしょうか。

大原 いや、元々「こうしてくれるだろうな」というイメージは明確にありました。でもそのうえで、吉田さんって考えていることが自分とは絶対に違うはずなのに、「これがいいな」というところを絶対に突いてくださるんですよね。

YURiKA だから間違いなく、何をとっても新しいのに『リトルウィッチアカデミア』感みたいなのもある曲になっているんですよね。しかも「Dream Flight」には、実はアレンジの中に『リトルウィッチアカデミア』愛がすごくあふれているポイントがあるんです。まだフルサイズの配信前なので詳しくは言えないんですけど……あー、早く言いたい!(笑)。
○●まもなく開催! それぞれの配信ライブへの意気込みと理想像

――さて、大原さんは10月7日に、YURiKAさんも10月9日にそれぞれ配信ライブを開催されます。有観客とは違う部分もあるかと思いますが、目指すイメージはすでにはっきりとされていますか?

大原 はい。今いちばん強く思っているのは、画面の向こうにいる人ひとりずつに向けて「あなたに届けてるよ」というところを明確にして歌いたいな……ということですね。配信という形ではありますけど、ライブって普段は目の前にいるお客さんに向けて届けるものですから。

――そう考えるきっかけみたいなものが、何かあったんでしょうか。

大原 配信ライブを観ているときに思うんですけど、正直たまに置いてけぼりになってしまうような感覚を受ける瞬間みたいなものがあったんです。でも、そう感じないように大切にライブしてくださる方もいるので、自分もそんなライブをお届けしたいです。

YURiKA 私のライブは今回1時間ずつの2部制で、バンドと一緒にわちゃわちゃやっていくんですけど、いつもだったら感じられるみんなの声とかぎゅうぎゅうのフロアからの圧がないので不安もあります。でもまずはやっぱり、バンドを背負って歌を届けられる喜びを噛み締めたいですね。まずは自分がいちばん楽しまないと、その姿を見てくれている人には届かないと思うので。

――YURiKAさんも配信ライブはよくご覧になりますか?

YURiKA はい。カメラワークなどもいろんないろんな方のライブを観て勉強して、そのうえで「自分だったらこうしてみたいな」というやり方を考えているんですけど……いやもう、GRANRODEOさんの”“GRANRODEO 15th ANNIVERSARY Startup Live ~たかが15年~”は本当に最高でした! “配信”っていう壁を突破してくるような熱量がありましたし、ステージに立つ皆さんの「久々にみんなで音出せて嬉しい!」という気持ちも、本当に伝わってきたんですよ!

大原 私、“RED”のほうで「Dream Flight」歌ってもらえるのがめちゃめちゃ嬉しい。

YURiKA 私自身も楽しみにしてます! ……あれ? ゆい子さんのライブって、デビュー日当日ですよね?

大原 ……そっか。そうです!

――デビュー日だからこそ、やりたいことはありますか?

大原 それが、あまりなくて……記念日をあまり気にしないタイプなんです(笑)。でも、当日に配信を通じてお祝いしたいと思ってくださる方がいるということへの「ありがとう」という気持ちは、ちゃんと伝えたいですね。

――では最後に、改めてリリースにあたって読者の方へ「Dream Flight」の聴きどころなどについて、ひと言ずついただいてもよろしいでしょうか。

大原 YURiKAちゃんの歌の熱量や『リトルウィッチアカデミア』に対するみんなの想いがとても詰まった、ドリームなフライトな曲になっています。かっ飛ばして聴いてもらえたら嬉しいです。

YURiKA 繰り返しになってしまうんですけど、ゆい子さんや編曲の吉田さんに演奏してくれた方々、さらには作品を応援してくれている方も含めたみんなの代表という気持ちがすごく強いんです。私の名前で出る曲ですけど、私だけの曲ではないと思っています。いろいろな仕掛けもある、全『リトルウィッチアカデミア』ファンに絶対に好きになってもらえる曲に仕上がっているので、ぜひ隅々まで聴いてください!(須永兼次)