「犬や猫などが嫌い」とはっきり言ってしまうと、いまの世の中どうも立場が悪くなってしまいがちだ。お悩み解決掲示板に9月末、「犬が原因で夫と亀裂入ってます」というスレッドが立った。
スレ主は犬が嫌いという女性。一人暮らしの夫の母親が病気のためペットの犬を夫が引き取ったが、「嫌だと言ったのに無視されました」と不満げだ。噛まれたことがあるわけでも、アレルギーでもないため、夫は「嫌いってだけでこんなときに冷たいこと言うな」とスレ主に厳しい態度だという。
夫は犬用の部屋をつくり、夫のいるとき以外は外に出さないようにしているが、それでも嫌がっていると、友人からも「私が悪者のように諭されてしまう」とのこと。精神的苦痛を感じているというスレ主は、
「犬を嫌いってだけで嫌がるのはそこまで人でなしですか?」
と問いかけた。(文:okei)
「あまりにわがままだし、犬という命に対して冷たい人」と批判多数
スレ主の問いかけには、犬好きの皆さんからさまざまな苦言が入っている。
「じゃあどうしろっての?自分が嫌なんだから犬なんか捨てろってこと?(中略)主さんがあまりにわがままだし、犬という命に対して冷たい人ですね」
「恐怖症でもアレルギーでもないなら、正直人でなしだなと思いますね。犬嫌いの人って、根本に犬より自分が上って傲慢さがありますよね?」
苦手なのは悪くないが、好きになろうとする努力や工夫は必要なのでは? といった意見もある。これに対して、スレ主は「さすがに捨てろとは思わないが、自分の苦痛をかなり軽く考えられているのが辛い」と主張。犬好きには申し訳ないが、
「嫌い(私)にとっては常にゴキブリがすぐ近くをうろついてる毎日を強要されるようなものなのです」
とパンチの効いた具体例で返した。
これに対する反応は、「犬とゴキブリを一緒にするなよ。ひどい!悲しい。ワンコに何ら罪はありません」「犬という生き物に失礼」など非難ごうごう。「1日1回でも夫と世話をして頭をなでてみるなど、なついてくれば少しは違う」など歩み寄りを諭す声や、離婚や別居まで示唆する声が次々に入った。
しかしスレ主は、こういう反応が嫌でスレッドを立てたのだ。「生理的に嫌い」を克服したいとも思っていない。ゴキブリの例は好き嫌いの温度差を表現しただけと反論し、
「ゴキブリを愛してる人とかもいますよね?その人にゴキブリを気持ち悪がるな!ひどい!ゴキブリに罪はない!と言われても嫌いな人はただただ困りますよね?」
と、真剣に悩んでいるのに理解されないつらさを再び訴えていた。
「犬嫌いな人は悪人で、叩きのめしてもいいくらい思ってる人もいますよね」
一方スレッドには、スレ主に理解を示す意見も多数寄せられている。「主さんのような人って結構いますよ」をはじめ、スレ主を擁護する声もある。
「ゴキの例え、私は分かりやすかったですよ。(中略)犬好きな人って犬嫌いな人は悪人で、叩きのめしてもいいくらい思ってる人もいますよね」
「心底動物が嫌いで、特に人間と同じような可愛がりをしてる飼い主にも嫌悪感がある自分としては、ここで主さんを叩きまくる人の気持ちがわかりません」
苦痛の程度は本人しかわからないし、トラウマなどと大げさな理由がなくても、みんな同じである必要はないという意見の人も少なくなかった。スレ主はなんとか耐えている状態なので、これ以上責めるのは酷というものだ。
結論、「好きじゃない」人には、押し付けないほうがいい
以前、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが、 世間が犬好きを押し付けてくる風潮が「大嫌い」と言っていたことがある。嫌いというほどではないが、「そんなに好きじゃない」と言っただけで「エー!」と驚かれることに苦痛を感じているようだった。スレ主のように「どうしても嫌い」な人もいることは確かなので、自分が可愛いからと「歩み寄り」を押し付けることは、考え直したほうがいいだろう。