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TCRデンマーク第3戦:ヤン・マグヌッセンがTCR規定ツーリングカー初優勝を飾る

2020年10月05日 17:31  AUTOSPORT web

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予選で2戦連続ポールポジションを獲得した元F1ドライバーのヤン・マグヌッセン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/LM Racing)が、レース2でTCR規定ツーリングカー初優勝
9月26~27日にリング・ユールスランドで開催されたTCRデンマーク・シリーズ第3戦は、予選で2戦連続ポールポジションを獲得した元F1ドライバーのヤン・マグヌッセン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/LM Racing)が、レース2でTCR規定ツーリングカー初優勝を飾っている。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックに見舞われた2020年が創設初年度となったこのTCRデンマークは、欧州モータースポーツ・シーンの先陣を切り、6月20~21日という早い段階での開幕戦実施に漕ぎ着けた。

 そんなシリーズの努力もあり、9月初旬にFDMユランズリングで開催された第2戦では土日で計5ヒートを実施する超過密日程での勝負となったが、この第3戦の週末はF4デンマーク選手権との併催もあり、土曜ワンデイながら予選とレース1、レース2という標準的なフォーマットで争われた。

 その予選で先手を取ったのはデンマーク・シリーズの顔として参戦するマグヌッセンで、北米の耐久スポーツカー・シーンでも活躍を演じてきた大ベテランは、LM RacingのゴルフGTI TCRでこのテクニカルなショートサーキットを攻略し、50秒240のトップタイムを記録。2番手マーティン・アンダーセン(ヒュンダイi30 N TCR/Andersen Motorsport)に0.186秒差をつけてのポールポジションを獲得した。

 続く15時30分からのレース1を最前列からスタートしたマグヌッセンだったが、前週に戦ったル・マン24時間帰りとなるこのスタードライバーに立ちはだかったのが、3番手スタートだったジェイコブ・マティアセン(アルファロメオ・ジュリエッタTCR/Insight Racing)。

 オープニングラップで元国内GT経験者のマティアセンがドライブするアルファロメオがリードを奪うと、続く2周目にはフロントロウ2番手発進だったアンダーセンのヒュンダイも速さを見せ、マグヌッセンをパスして首位のアルファロメオを追走する展開に。

■レース2ではマグヌッセンが逆転しシリーズ初優勝を手にする

 しかし、そのまま23周のチェッカーかと思われた終盤に波乱が起こり、首位快走のジュリエッタは電気系のトラブルを抱えて無念のストップ。代わって首位に立った同じく国内のツーリングカーやスポーツカー耐久で4度のタイトルを経験するアンダーセンのヒュンダイi30 N TCRがトップチェッカー。

 2位マグヌッセン、3位に開幕勝者のキャスパー・H・ジェンセン(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/Massive Motorsport)が入る表彰台に。4位にはマグヌッセンの僚友を務める若手ニコライ・シルベスト(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/LM Racing)が続き、ミカエル・マルクセン(プジョー308 TCR/Markussen Racing)のトップ5となった。

 続くレース2は前戦トップ8のリバースグリッドが採用され、Massive Motorsportのケン・バッハ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が最前列からスタート。しかし2周目には早くもプジョー308 TCRのマルクセンが首位に浮上し、そのリヤバンパーをマグヌッセンが執拗に追いかける状況へと持ち込んでいく。

 このテール・トゥ・ノーズのドッグファイトはレース全域にわたって続けられたが、残り3周となった最終盤にまたしても波乱が。レース1のアルファロメオをリプレイするかのように、このレース2で首位を快走したプジョーにも別の問題が発生し、マルクセンはコースサイドに力なくマシンを止めることに。

 これでリードを引き継いだマグヌッセンは、ホンダのジェンセンとチームメイトのシルベストを従えてトップでフィニッシュラインへ。すでに来季からは新型『クプラ・レオン・コンペティションTCR』へのスイッチが決まっているマグヌッセンが、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRとともにうれしいシリーズ初優勝を手にした。

 この週末の結果、2戦連続表彰台のジェンセンが選手権首位をキープし、アンダーセン、シルベストのランキングトップ3となったTCRデンマーク・シリーズ。続く第4戦は、10月10~11日にパドボルパークでの開催が予定されている。