アルファロメオのチーム代表を務めるフレデリック・バスールは、2021年のドライバーラインアップについて、キミ・ライコネンのチーム残留ほのめかし、もうひとつのシートを4人のドライバーが争っていることを明かした。
現在40歳のライコネンは、グリッド上で最も経験豊富なドライバーでもある。第10戦ロシアGPで322戦目のレースを迎え、ルーベンス・バリチェロの持つF1最多出走記録に並んだ。
しかし今年はアルファロメオにとって厳しいシーズンとなっており、ライコネンとチームメイトのアントニオ・ジョビナッツィはそれぞれ2ポイントしか獲得できていない(ロシアGP終了時点)。ドライバーズランキングではライコネンが16位、ジョビナッツィが17位となっている。
この精彩を欠いたシーズンのせいで、ライコネンに2020年シーズン限りでの引退を促すことになるかもしれず、チームはライコネンの後任としてニコ・ヒュルケンベルグや、今年限りでレーシングポイントを離脱するセルジオ・ペレスを検討していると考えられている。
だがF1公式サイトにおいて、ライターのローレンス・バレット氏は「私の持っている情報源によると、彼はアルファロメオの望みを理解し、もう1年チームに留まる方向だ」とこれまでの見通しとは反対の意見を示唆した。
バスールは、チームの現状のせいで2021年もライコネンをチームにとどまらせることがいっそう難しくなっていることを認めているが、それが実現する可能性を確信している。
「我々は将来についてともに話し合わなければならない」とバスールはバレット氏に語った。
「我々は(ランキングの)後方にいるので、今は理想的な状況ではない。だがモチベーションというのはひとつのレースによるものではない」
「彼が何をしたいのか、そして私が何をしたいのかを正確に知るために、我々はまもなく話し合いを行うつもりだ。解決策が見つかるだろう」
■フェラーリ育成の若手3人がシート争い
もしバスールがライコネンを残留させるというミッションに成功すれば、今度はアルファロメオのもうひとつのシートを獲得するドライバーは誰なのかという点にスポットライトが当たることになる。
チームがジョビナッツィを残留させることもありえるだろう。だがその一方で、ニュルブルクリンクで行われる第11戦アイフェルGPのフリー走行1回目(FP1)にシューマッハーを起用するという発表により、シューマッハーがライコネンのチームメイト候補として“ポールポジション”についているという噂が大きく広まった。
バレット氏の持つ情報によれば、「(アルファロメオの)ふたつ目のシートの本命はシューマッハーである。しかしFIA-F2ではあと2レース残っているので、アルファロメオとフェラーリの持つ選択肢はオープンなまま」だという。
F2におけるシューマッハーのライバルにはカラム・アイロットやロバート・シュワルツマンなどがいるが、アイロットは同じくアイフェルGPのFP1にハースから参加することになっている。またシュワルツマンも最終戦アブダビGPのFP1に出走するが、どのチームのマシンをドライブするのかはまだ明らかになっていない。
バスールは、この3名がアルファロメオのシートを争っていることを認めた。
「シュワルツマンはルーキーとして非常に素晴らしい仕事をしているし、シューマッハーとアイロットもパフォーマンスを発揮している。選択肢がないよりも、素晴らしいドライバーのなかで選択肢があるというこの状況はとてもいいものだ」
「そしてアントニオもリストに載っている。我々が何をしたいのか、そしてフェラーリが何をしたいのかを考えるために、アントニオと話し合わなければならない」
しかしながらバスールは、3名のルーキー候補はF2の残りのレースに集中すべきだと指摘し「我々は決断を急いでいない」と述べた。
「たとえ(F2の)残りの2大会がシーズンのかなり最後の方で開催されるとしても、若手にとってはシーズンを終わらせることが大切だ」
「最終的なイメージを持つこと、そしてシーズンの真ん中で議論を始めないことが重要になる」