トヨタGAZOO Racingヨーロッパ(旧TMG)は10月3日、2021年のWECおよびル・マン24時間レースの最高峰『ハイパーカー』クラスに投入するル・マン・ハイパーカー(LMH)規定の新型レーシングカーを、2021年1月11日月曜日に発表するとSNS上で明らかにした。
2012年にル・マンを含むWEC世界耐久選手権に復帰したトヨタは、TS030ハイブリッド(2012~2013年)、TS040ハイブリッド(2014~2015年)、そしてTS050ハイブリッド(2016~2020年)という、ハイブリッドシステムを搭載した一連のLMP1(-H)マシンで戦ってきた。
2018年にはトヨタとして悲願だったル・マン初優勝を達成し、2019年には連勝、そして先月開催された2020年のル・マン24時間レースでは3連覇を遂げている。
現行LMP1規定は2020年11月、2019/20シーズン最終戦バーレーン8時間レースで終焉を迎え、シリーズの最高峰クラスは2021シーズンから、より量産ハイパーカー然としたルックスを持つ「LMH」規定へと移行する。
さらに2022年からは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の現行最高峰クラスで採用されている『DPi』の後継規定となる『LMDh』規定のマシンも、WECの『ハイパーカー』クラスに参戦が可能となる。
トヨタは2018年の東京オートサロンで、WECでのハイブリッド技術を活かした新たな市販ハイパーカー、『GRスーパースポーツ・コンセプト』を初披露。さらに2019年のル・マン24時間レースの際に行なわれた記者会見で、ハイブリッドシステムを搭載するLMH規定マシンでの参入を正式発表していた。
また、2020年のル・マン24時間レース決勝前のセレモニーには、開発中の『GRスーパースポーツ(仮称)』(レーシングカーではなく市販型)が登場し、いよいよ“次の時代”への期待が高まっていた。
そんななか、TGR-EのSNSへの10月3日の投稿では「我々が新たな時代をスタートさせるまで、あと100日」というテキストとともに短いティザー動画が公開され、2021年1月11日が新型LMH車両の発表日となることが明らかとなった。
新型マシンは2020年10月とされるシェイクダウンを含め、年内に複数回の走行テストが実施されるとの噂があるが、1月の公開日までは公式な情報は出回らないか、限られたものとなりそうだ。
2021年、『シーズン9』となるWECは3月にアメリカ・セブリングでの公式テスト、そしてそれに続くIMSAとのジョイントイベントであるセブリング1000マイルレースで幕を上げることとなっている。その後スパ、ル・マン、そして初開催のモンツァを経て、9月には日本の富士スピードウェイでもレースが行なわれる予定だ。