F1のスポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、現在残っているアスファルトのランオフエリアは、トラックリミット違反に対処する際にグラベルトラップより優れた解決策だと考えている。
先週末の第10戦ロシアGPでは、ソチ・オートドロームのターン2で何件かのインシデントが起き、マクラーレンのカルロス・サインツJr.はレースのオープニングラップでウォールに接触してしまった。
ダニエル・リカルド(ルノー)とロマン・グロージャン(ハース)もターン2への挑戦に破れたふたりだ。彼らは日曜日のレース後に非難の声を上げ、将来的にコーナーの設計を変更すべきだと促した。
「今週末はサーキットに批判の多い箇所があった。FIAはこうした件について非常に客観的かつ前向きな姿勢でいる」とブラウンは、ソチでのレース後のインタビューでコメントした。
「彼らがターン2でのインシデントに目を向け、優れた解決策があるかどうか検討するだろうと私は確信している」
ランオフエリアにアスファルトを使用すべきかグラベルを使用すべきかという議論も、第9戦トスカーナGPで再燃した。ムジェロのコーナーでは、すぐにグラベルトラップにはまってしまったドライバーが数人いたのだ。
ブラウンはグラベルトラップの抑止力を認識している一方で、トラックリミット違反に対処する点ではアスファルトが最良の妥協策であると考えている。
「ドライバーがトラックリミット違反をするのを阻止するための、絶え間のない戦いがある。グラベルであればトラックリミット違反はしないだろう。アスファルトだと違反をするのだ」
「だがあちこちにグラベルがあると、コース上に砂利が撒かれてしまい、その上を通り過ぎたらマシンを失いかねない。我々はそうした事態を求めてはいない」
「つまり違反をするのは愚かだが、違反をしなくても酷い目に合うことがある。アスファルトは圧倒的に優れた対策だが、ドライバーがアスファルトのランオフエリアを走らないようにトラックリミットを確実に設ける必要がある」
「もしコーナーに進入する際に起きる最悪の事態が、アスファルト上をはみでて走行しコースに再合流することだと分かっていたら、コーナー進入時にさらに力を出せるだろう」
「FIAと、FIAのF1レースディレクターであるマイケル・マシが、ターン2を確認し、より良い解決策があるか検討するだろう」