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4位フィニッシュのSERTが王座奪還。優勝はYARTヤマハ、TSRホンダは25秒差で2位/EWC第4戦エストリル12時間

2020年09月27日 14:51  AUTOSPORT web

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EWC第4戦エストリル12時間 表彰台
9月26日、2019-2020世界耐久選手権(EWC)第4戦エストリル12時間耐久ロードレースの決勝がポルトガルのエストリル・サーキットで行われ、YART - YAMAHA(カレル・ハニカ/マービン・フリッツ/ニッコロ・カネパ組)が421ラップを周回して優勝した。

 現地時間の朝8:00に23台でスタートを切ったエストリル12時間。ポールスタートのYARTヤマハはエンジンがかからず出遅れてしまい、ホールショットを奪ったのはF.C.C. TSR Honda France(TSRホンダ)。それにSuzuki Endurance Racing Team(SERT)が2番手、BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(BMWモトラッド)が3番手と続く。

 オープニングラップではSERTがトップを奪うが、すぐにBMWモトラッドがトップに立ち、Wojcik Racing Team、TSRホンダ、SERT、ERC-Enduranceという列になり、YARTヤマハは1周目で12番手までポジションを落とした。

 後方ではMotobox Kremer Racing #65、No Limits Motor Teamが2コーナーでクラッシュ。8分が過ぎて5周目に入ると、ドゥカティ・パニガーレV4Rを駆る5番手のルイ・ロッシ(ERC-Endurance)が転倒してしまい、ピットインしてほぼ最後尾に。その後、マシンの修復が不可能と判断してリタイアとなった。

 レース開始から30分を過ぎると2番手を走行するTSRホンダをYARTヤマハがかわす。50分が過ぎるとWEBIKE SRC KAWASAKI FRANCE TRICKSTAR(SRCカワサキ)、YARTヤマハ、Wojcik Racing Team、TSRホンダと上位陣がルーティーンのピットイン。2番手のSERT、トップのBMWモトラッドも数周後にピットに入り燃料補給とライダーの交代を行った。

 最初の1時間はBMWモトラッドが首位を守り、YARTヤマハ、SRCカワサキ、SERT、TSRホンダ、Wojcik Racing Teamと続く。しかし、1時間10分が経過したところで、トップを走るBMWモトラッドのピーター・ヒックマンが6コーナーで転倒を喫する。

 ヒックマンはマシンを起こし再スタートを切ったが、YARTヤマハにトップを譲り6番手まで順位を下げてピットイン。BMWモトラッドは5分ほどでマシンを修復し16番手でコースに戻った。

 その頃、SERTがSRCカワサキを交わし3番手に浮上。その後、BMWモトラッドはトラブルを抱えていたようでスローダウンして再びピットに入ると、スイングアームを交換してトップから8周差となる19番手でレースに復帰し、ポジションを挽回していく。

 上位が2度目のピットストップを終えた2時間経過時点には、YARTヤマハ、TSRホンダ、SERT、SRCカワサキ、Wojcik Racing Teamのオーダーに変わる。

 YARTヤマハは2時間半を過ぎると上位では一番早く3度目のピットインをして3番手に。トップはTSRホンダに入れ替わり、すぐ後ろにSERTが続きトップ争いを演じる。それから15分程度が経つとSERTが首位を奪った。

 その後、トップ2台もピットに入り、YARTヤマハがトップに戻って3時間が経過。3時間20分が経つとSRCカワサキがSERTをかわし3番手に浮上する。

 そのまま順調にレースが進み5時間経過時点ではYARTヤマハ、TSRホンダ、SRCカワサキ、SERTのトップ4台が同一周回。Wojcik Racing Teamが1周遅れと僅差の戦いでレースが進んでいく。

 その後もピットインのタイミングで順位が入れ替わることがあるが大きな変動はなく、レース折り返しの6時間が過ぎた時点では210周を周回したYARTヤマハ、その後ろにTSRホンダ、SRCカワサキ、SERT、Wojcik Racing Teamと続く。それからもラップリーダーはYARTヤマハからTSRホンダに入れ替わることがあったが、YARTヤマハが再度トップに躍り出る。

 レーススタートから8時間経過時点ではEWC、SSTの各上位10チームにボーナスポイントが与えられるが、SSTクラスでトップ(総合7番手)を走るTEAM MOTO AINが10ポイントを獲得。この時点でSSTクラスのチャンピオンを決定させた。

 直後に、SERTのマシンにトラブルが出たようで、一時マシンをガレージに入れるがすぐにレースに戻り5番手で復帰する。9時間が経過した頃にはYARTヤマハもステップ回りのトラブルを修復。これにより2番手のTSRホンダとのギャップがほぼなくなってしまう。

 そして、レース時間が残り2時間になると、TSRホンダとYARTヤマハの一騎打ちになり、YARTヤマハがピットインしたタイミングでTSRホンダがトップに立つ。しかし、30分後にはYARTヤマハが先頭に戻った。この頃にSERTが再びピットインしてステップ回りのパーツを交換したが、順位に変動はなかった。

 そのままレースは進み、12時間のレースが終わると14回のピットストップを行ったYARTヤマハが421ラップを周回して優勝。ピットは12回と少なかったTSRホンダは、24.524秒差で惜しくも2位、そして3ラップ差でWojcik Racing Teamが3位表彰台を獲得した。

 この最終戦を終え5ラップ差で4位フィニッシュだったSERTが、167.5ポイントを稼ぎ2019-2020シーズンのEWCチャンピオンに輝いた。SERTは16回目のタイトル獲得となる。ランキング2位は149.5ポイントのYARTヤマハ、3位には143.5ポイントのTSRホンダが入っている。SSTクラスでは上述のTEAM MOTO AINが最終的に215.5ポイントを獲得して2年連続でチャンピオンを獲得した。