2020年FIA-F2第10戦ロシアのフリー走行で2番手タイムを記録し、予選では最後のアタックでチームメイトに1000分の6秒差をつけて、角田裕毅は今季3度目のポールポジションを獲得した。
そしてレースでは首位をキープしながら周回を重ねたが、先行車を追い抜く際にタイヤカスを拾ってグリップを失い、選手権1、2位のミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)とカラム・アイロット(ユニ・ヴィルトゥオーシ)に抜かれて3番手に後退してしまう。
それでも最終周、見事なオーバーテイクでアイロットをかわし2位表彰台を獲得。選手権も6位から、3位と同ポイントの4位まで順位を回復した。
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──ポール・トゥ・ウインはできませんでしたが、2位表彰台を獲得しました。
角田裕毅(以下、角田):レースのスタートはわりと良くて、2コーナーまで首位をキープすることができました。その後のペースもよく、ミディアムタイヤに交換した後も順調でした。しかしアーテム・マルケロフ(BWT HWAレースラボ)に追いついてからなかなか抜けず、何度か仕掛けた際にタイヤカスを拾ってしまいました。
それによってグリップが低下した間に、(シューマッハーとアイロットの)2台に次々と抜かれてしまいました。そこは本当に反省点ですね。その後は比較的冷静にタイヤカスを落として、タイヤマネージメントを心がけました。そのおかげで、最後にアイロットを抜いて2位に上がれました。そこはよかったと思います。
──アイロットへのオーバーテイクは見事でしたが、状況をもう少し具体的にお聞きしてもよろしいですか?
角田:1コーナーで外側から追い抜くのは非常に難しいのですが、イン側にいたアイロットが比較的手前でブレーキングすることはわかっていたので、そこでブレーキング競争になり、2台揃ってオーバースピード気味に(1コーナーに)入り、そして(2コーナーに向けて)クロスラインを取りながらアウト側から抜いていきました。計画したとおりのオーバーテイクができたので、そこはよかったですね。
──もしタイヤカスを拾っていなかった場合、勝てるチャンスはありましたか?
角田:今回はシューマッハーが速かったので、もしタイヤカスの問題がなかったとしても、彼には追い抜かれていたかもしれません。
──前戦のムジェロでは「タイヤのグリップを使い切るレースをする」と言っていましたが、今回はそれができましたか?
角田:はい。それはできたと思います。ペースは最後までよかったですし、逆に落ちることもなかったです。
──イタリアでは3レース続けてノーポイントでした。そこからのポールポジション、2位表彰台という結果に対しては、ホッとしたという気持ちが一番強いですか?
角田:いえ、まだ全然ホッとはしていないです。これから最終戦までレースは続きますし、ポイントを取れるだけ取って挽回したいです。
──シーズン後半は、シューマッハーが安定して速くなってきている印象です。コース上で戦っている角田選手から見ても、おなじ印象を持っていますか?
角田:そうですね。特に今回、不安定な感じは見られませんでした。
──レース2は7番手スタートになります。
角田:はい。僕の今の課題は、スタート直後の集団のなかでクルマを破損させないことで、そこをまずは気をつけたいです。それがクリアできれば、レースペースはそれほどいいわけではないですが、自分のドライビングで改善しながら上位入賞を狙いたいです。