2020年F1第10戦ロシアGPの予選で2番手につけ、メルセデス勢の2台に割って入りフロントロウを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。予選後のFIA会見に出席したフェルスタッペンは、「今回の予選アタックはこれまでのあなたのキャリアのなかで、ベストのひとつだったか?」と尋ねられると「そうだね」と肯定し、こう続けた。
「本当に最高の気分だった」
ただし、同時にフェルスタッペンは、ロシアGPの予選でフロントロウを獲得したことに「正直驚いている」とも語った。というのも、予選でのマシンバランスは決して最高の状態ではなかったからだ。
「予選ではQ1からQ3までずっとマシンのバランス変化に苦労していたよ。特にオーバーステアが多かったので、コーナーエントリーでのスピードを調整して、なんとか最適なバランスを見つけようとトライし続けていた」
Q1からQ2にかけて、少しずつオーバーステアに変化しやすいマシンに慣れていったフェルスタッペンは、Q3でレギュレーションで許されている範囲で少しだけセッティングを変更した。
「Q3の1回目のアタックも悪くなかったけど、2回目の最後のアタックに向けていくつか変更を加えたんだ。そうしたら、少しグリップ力が増した。このサーキットではコーナーのエントリーでのグリップ力が重要だから、それは僕にとってとても大きな助けになった。だから、最後のアタックはとても満足している。アタックしていて楽しかった。もちろん、ポールポジションじゃないけど、フロントロウだ。これはまったく期待していなかった結果だったよ」
さらにフェルスタッペンはQ2をミディアムタイヤで通過しているため、日曜日の決勝レースをミディアムでスタートするというアドバンテージも得ている。
「どうしてもレースはミディアムでスタートしたかった。でも、ライバルたちとのタイム差が接近していたから簡単ではなかった。だって、ソフトタイヤでもグリップがあまりなかったからね」
それでもフェルスタッペンは、Q2でトップ10に入るタイムを出してライバルたちのアタックを見守っていた。すると、ここでセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がクラッシュして赤旗が出る。このアクシデントにより展開が読みにくくなった。残り2分15秒でQ2が再開されると、フェルスタッペンは万が一に備えてソフトタイヤを装着してコースインしていった。
セクター1とセクター2では自己ベストを記録しながらアタックしていたフェルスタッペン。このままソフトタイヤでタイムを出すのかと思った瞬間、スローダウンした。
「ちょうど最終コーナーのあたりで、無線で『(アタックを)やめろ、やめろ』と言われたんだ。ここは最終コーナーからコントロールラインまでが短かかったけれど間に合って良かった。今日の2番手はチームのみんながいい仕事をした結果だ」