2020年F1第9戦トスカーナGP直前に、2021年からアストンマーティンとして再出発するレーシングポイントが、新しくセバスチャン・ベッテルと契約したため、今シーズン限りでレーシングポイントを去ることとなったセルジオ・ペレス。ロシアGPの木曜日の記者会見に登場したペレスは、その発表以降、チーム内の雰囲気が少し変わったことを示唆した。
「チームが発表を行って以降、明らかにチーム内の何人かが僕に何かを隠すようになった。それって、あまりいい気持ちはしないよね。僕はシーズン最終戦までこのチームの一員だし、少しでも多くのポイントを持ち帰るつもりだ」
「もし、僕たちがコンストラクターズ選手権で3位でフィニッシュできれば、チーム史上、ベストシーズンとなる。それを実現するためには、チームとドライバー間の透明性はとても大切なことなんだけどね」
トスカーナGPではチームメイトのランス・ストロールにだけアップデートが入った。しかし、それはクラッシュによって大破。本来ロシアGPからペレスが使用する予定だったアップデートは、再びストロールが使用することになった。
「いま中団争いはとても熾烈だから、アップデートが大きな勝敗の鍵を握ると思う。僕にもアップデートは投入される。でも、全部じゃなくて、リヤサスペンションだけ。もちろん、チームも一生懸命頑張っている。次のグランプリまでに準備されることを祈っている」
レーシングポイントを去るペレスの2021年はどうなっているのだろうか。
「いくつかのチームからコンタクトがあった。おそらく数週間のうちには現実的な選択肢をお知らせできると思う。そのチームがどこかは、チームと僕の間での秘密にしておきたい」
ペレスに代わって来年アストンマーチンのシートを得ることになったベッテルについての感想を求められたペレスは「僕はセバスチャンが憎い」と笑って冗談を飛ばした後、こうコメントし直した。
「彼はだれもが認める偉大なドライバーだ。もちろん、僕だって残りたかったよ。だって、来年は素晴らしい1年になることはわかっていたから。でも、いまはもう、恨みっこなしだ」
そんなペレスの隣に座っていたランス・ストロールは、来年のアストンマーチンのカラーリングがどうなるのかと尋ねられると、「カッコいいブリティッシュ・レーシング・グリーンになると思うよ」とニヤリ。そして、ベッテルとの交流についてもこう答えた。
「ムジェロで彼のモーターホームをノックしたんだ。そして、彼と握手して、チームメイトとして迎えることを喜んでいると伝えた」
なお、ムジェロでクラッシュした原因について、ストロールは「パンクだと思うけど、まだ100%わかっていないんだ。ちょっとミステリーだね。ケガはなかったけど、レースの翌日、車を運転したら、左足の少し痛みを感じた」と語り、このロシアGPでは最新の空力パッケージだけでなく、シャシーも新しくすると言う。