9月19~20日に行なわれた第88回ル・マン24時間レースのLMGTEプロクラスに参戦したポルシェGTチームは、2台ともにテクニカルトラブルに襲われたうえ、戦闘力不足に苦しんだ。
2019/20シーズンよりポルシェ911 RSR“-19”へと進化したマシンにとって初となるル・マンにおいてポルシェの2台は、8台が参戦したGTEプロクラスで5位と6位を得るのがやっとの状態。
予選では91号車がクラスポールポジションを獲得したものの決勝では序盤から遅れ、優勝したアストンマーティンからは10周も遅れる結果となった。
2台ともにパワーステアリングトラブルの修復のためガレージで時間を費やしたあと、91号車には電気系の不具合が発生。16時間目にして、ジャンマリア・ブルーニ/リヒャルド・リエツ/フレデリック・マコヴィッキ組の表彰台獲得は遠ざかった。
「失望すると同時に、疲れ切っている」とマコヴィッキは語った。
「僕たちは皆、年に一度だけのこの特別なイベントに、莫大なエネルギーを費やしている」
「うまくいかないときは、本当につらい」
「今回、自分たちの戦闘力が望んでいたレベルにないことは、すぐに分かった。順位を上げたければ、常に限界までプッシュする必要がある。そんな状況では、テクニカルな問題が起こるものだ。イライラするけど、そういうものだからね」
5時間目にマイケル・クリステンセン/ケビン・エストーレ/ローレンス・ファントール組の92号車に最初のトラブルが起きる前の時点で、どちらのマシンもフェラーリ488 GTE Evoとアストンマーティン・バンテージAMRのペースについていくことができなかった。
92号車のレースにおけるベストラップは3分52秒136で、優勝したアストンマーティンのべストラップ3分50秒321に比べ、約2秒も遅いものだった。
ポルシェ・モータースポーツにおけるファクトリー・モータースポーツの責任者、パスカル・ズーリンデンは、今回のペース不足については「説明不能」であり、レース後にさらなる分析が必要であると述べている。
「我々は、スタート直後からのライバル勢のペースに驚いた」とズーリンデン。
「追いつくことはできなかったが、最善は尽くした」
「ローレンスのスティントでパワーステアリングが故障してピットで10周以上を失ったとき、いかなる希望も手放さなければならなかった」
「競争力が欠けていて、さらに技術的な面で不運が起こるとき、良い一日にはならない。それが現実だ」
ポルシェのWECオペレーション責任者であるアレクサンダー・スティリグは、加速と最高速の両面でライバルたちにかなわないことがすぐに分かった、という。
「我々はトラフィックのなかでますますそのタイムを失ったので、この問題はさらに厳しいものとなった。加えて、技術面での問題が多すぎた」
「取り組むべき、いくらかの“宿題”ができてしまった」